鈴木正浩の究極の大家道「タンク満タンですか?」

タンク満タンですか?「有限会社ドリームファーム 鍋嶋慎一郎氏インタビュー」

2021/08/24

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富山の下新川郡入善町で、稲作が中心の農業を最新の技術を用いて行い、農業の在り方を変革している有限会社ドリームファームの鍋嶋さんに、将来の農業を見据えたお話を聞いてきました。
聞き手は、トレードトレードブログでかしこい大家の不動産投資を書いている鈴木正浩さんです。

「ドリームファームの使命」

鈴木:

私も参加させていただいた富山の田植えは、5月中旬ぐらいですか?

鍋島:

そうですね、4月の終わりから5月いっぱいで植え終わります。

鈴木:

私も参加させていただいた富山の田植えは、5月中旬ぐらいですか?

稲作で使う機械というと、田植えや収穫で使うトラクターという知識でしたが、昨日見に行った田んぼで操作していたのは、リモートで飛ぶ小型ヘリコプターですか?ああいう機械を使って作業されるとは思ってもいなかったので驚きました。あれは、何をしていたのですか?

鍋島:

あれは、無人小型ヘリで農薬を撒いていました。農薬などを散布するのにあの小型ヘリを使う事で、6人ぐらいで半日掛かっていた作業が3人で一時間程度で終わらせることができます。農業は機械化が進んで、人間がちょっとでも楽できるようになってきています。

鈴木:

想像以上に機械化が進んでいるのですね。

鍋島:

はい、稲作であれば田んぼにする前に鍬を入れるところから、きれいに水を入れて、もう一度、細かくきれいに水平にするのも、全部トラクターでやります。稲のもとになる苗を作るのも全部機械化されています。そして、植えるのは田植え機、収穫はコンバインと様々な機械を使いお米を生産しています。

鈴木:

なるほど、収穫時期は10月初旬ごろですか?

鍋島:

9月の半ばから10月終わりぐらいまでですね。

鈴木:

これだけ機械化がすすむと、会社組織で事業されているという事は、自社の農地だけではないのでしょう?

鍋島:

そうですね。ほぼ借地です。私達がやっていかなければいけない事は、やはりこの入善町の基幹産業と言えば農業なので、この農業を如何に若い人達に伝えていけるかという事なんですよ。

だけど、近年は若い人がどんどん都会に出ていくんです。そして、この入善町近辺では、どんどん年配の方が増えていって、兼業農家をやってた人達が農業を辞めていくんです。そうなると、農業を教える人もいなくなって、どんどん富山の農業が先細りしていくんですよ。

それをなんとかしたいな~と言うことで、ウチの父や、今の社長が立ち上がって、作り手のいなくなった田などを集積し、作物を作り始めました。私も、少しでも先端の農法を取り入れ人力を減らして、機械化できるところは機械化していこうと、東京農大で学んだ先進農業をドリームファームで実践してきました。

鈴木:

それはすばらしい事ですよね。私も千葉の田舎で育ちましたから、周りが田んぼばかりで…。ウチは農業をやってなかったのですが、確かに旧友とかは兼業農家の家もありましたよ。彼らの多くはやはり東京とかでサラリーマンするために田んぼを諦めたり、手放したりしていますね。

鍋島:

やはり、日本の食料の供給を考えると、富山のような地の利がある田舎で農業生産をした方が良いに決まっています。田舎ならではの肥沃な土、美味しい水ときれいな空気でお米や野菜を作り、そして全国の人に食べて貰う、できればそれを私達の次の世代にも引き継いでいきたいと思っています。

「黒部ダムの雪解け水が育む作物」

鈴木:

今、美味しいお米や野菜という話しがでましたが、やはりここからもよく見える北アルプス、立山連峰の雪解け水なんですか?町を見てもとても水路が発達している、水も冷たくて透明な水で、錦鯉がたくさん泳いでいる。とても羨ましい環境です。

鍋島:

そうですね。北アルプス立山連峰の雪解け水で、黒部ダムの水ですね。山から近いのでミネラルもいっぱいで、ミネラルウォーターとしても売られています。

鈴木:

そんな水で作るお米だから、それは美味しいですよね。千葉の方でもお米は美味しいんですが、魚沼とかこちらとか、水が美味しい地域が羨ましいと思いますよ。お米はコシヒカリですか?

鍋島:

そうです。ほぼコシヒカリなんですが、10ヘクタールだけ、富山で開発されたお米、「富富富」を作っています。

鈴木:

「富富富」って良いネーミングですね。どんなお米なんですか?

鍋島:

コシヒカリをベースに高温多湿に強く、病気に強い、あと少し丈が短くて、倒れづらいっていう特質があります。もちろん、味もモチモチしていておいしいということで開発されました。

鈴木:

良いことずくめですね。

鍋島:

でもなかなか作るのが難しくって、収穫時期がコシヒカリとかぶるんですよ。コシヒカリを終わらせてすぐにもう、富富富の収穫に入る。問題は収穫時、コシヒカリと混ざったら駄目なんで、作業は全てきれいに洗い落としてからの作業じゃないとダメなんです。その上育てるのにも、肥料設計がコシヒカリと違うから、意外と面倒なんですよ。

鈴木:

なるほど。けっこう手間掛かるんですね。関東では中々手に入らないですが、売れ行きはどうですか?

鍋島:

人気ありますね、収穫量もそれほどないので。やはりお米好きの人からはよく問い合わせが来ます。

「次のステップ」

鈴木:

鍋嶋さんは今、町会議員をやられているんですね?どうしてまた町会議員なんですか?

鍋島:

先程も少し話しましたが入善町は基幹産業が農業なのに、農業に対して意見を言う議員や、アイデアを出す議員がいなかったんです。でも私たちは、いろんな農業に関する行事をやりたいけれど、どうすればいいか分からないというのがありました。そういう時に農業を知らない議員さんにお願いするよりも、自分たち農業関係者から議員を出そうじゃないかって事になり、私が駆り出された感じです(笑)

鈴木:

なるほど、農業を通じたイベントや体験などもやっているんですね。

鍋島:

はい、その一環で地元の小学生に田植えや稲刈りなどの体験をして貰ったりしています。

鈴木:

楽しそうですね。これからの展開としては?

鍋島:

そうですね、やはり、町としてどうこうよりも、一農業者として、子どもたちにこの仕事を伝えていきたい。将来、もっと農業が進化して、機械化やIT化が進んでもっともっと楽しい仕事にしていかなければならない。だって食料を作り出す、育てる事自体とてもおもしろい事なんです。そしてそれを食べてもらう方に、幸せになってほしい。

ドリームファームのモットーなんですけど、お客様に「これでいいわ」って買われるんじゃなくて、これがいいと思って手に取ってもらえるようなものづくり。そんな思いを、この先農業していく人達に伝えられたら、幸せだと思います。農業はおもしろい!

鈴木:

大変美味しい思いをしました。今日はありがとうございました。秋の収穫が楽しみです。

鍋島:

是非秋もお越し下さい。美味しい新米をご馳走しますから。

有限会社ドリームファーム 鍋島慎一郎

富山県下新川郡入善町にて、栽培から販売まで一貫した企業農業を行っています。コシヒカリ・新大正もち・大豆・キャベツ・白菜・いも類・玉ねぎなど30種程と、冬期間にはチューリップ切り花などを栽培、販売しています。オンラインショップでは、ドリームファームで栽培された農産物を加工した商品も販売しております。その一部の商品は「トレトレストア」でも販売しておりますので、ぜひお買い求めください。


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