酒匂隆雄の「為替ランドスケープ」 

円高からドル安へ

2025/04/07

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トランプの相互関税発動で世界の金融市場は激震。株価急落、金利低下、ドル安・円高の連鎖が発生。米政権のドル安指向と相まって、今後はドル自身の信認問題へと発展する可能性が高まっている。

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2025年4月7日号

ーTariff man トランプが2日、宣言通りに相互関税を発動したが、その影響たるや凄まじく、世界の金融市場は株安、金利低下、ドル安&円高で応じた。ダウは4月3日、1日だけで凡そ4%。4月4日も続落して1日だけで凡そ5.5%下落した。

日経平均もつれ安となり、同じくこの両日、各々2.8%、そして2.7%下落し、週明けの東京株式市場でも続落して一時3,000円以上の下げを記録した後、午後1時現在で2,100円安の31,740円で取引されている。
ダウ先物も1,100ドル安の37,424ドルで取引されており、今晩のニューヨーク株式市場でも更なる下げが予想される。

Tariff man はこの混乱を、「想定内」と嘯いており、世界の金融市場の混乱は未だ続きそうである。

通貨・銘柄3月31日4月4日変化
NYダウ42,001.7638,314.86-8.80%
日経平均株価35,617.5633,780.58-5.20%
ドル円149.96146.88-2.10%
日本10年債利回り1.485%1.200%-0.285%
米10年債利回り4.211%3.999%-0.212%
※終値ベース

-日米長期金利が両方共下げたが、過去の動きから比べてみると、現在の146円近辺での動きに違和感は無く、寧ろ150円台が高過ぎた感がしないでもない。

(Let’s Gold.社のホーム・ページから参照)

-Tariff man.の今回の暴挙に対してかつての同盟国(G7)の反発は大きく、Pax Ameicana(第二次世界大戦後に超大国となったアメリカが中心となって成立した国際秩序の事)が終焉し、ドルの信認が大きく揺らいでドル安が大きく進むと言う意見が出だした。

G7各国も外貨準備の中のドルの割合を減らす動きに出るものと思われる。

-トランプ政権はドル安を指向しており、Mar-a-Largo合意の提唱者である米経済諮問委員会委員長のスティーブン・ミラー氏とベッセント財務長官は、ドル安の動きを歓迎している。

この二人はヘッジ・ファンド業界出身で、「儲かる話」には目が無い。

穿った見方であるが、シカゴ・IMMの投機筋が日々のスワップ・コストにも拘わらず、円・ロング(ドル・ショート)のポジションを長期に保有しているのは、彼らヘッジ・ファンド業界の間の『ドル安指向』の考えが浸透しているからではなかろうか?

そのシカゴ・IMMであるが、4月1日付のポジションは殆ど変わっておらず、相変わらず円に強気(ドルに弱気)なままである。

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個人投資家残高

前週3月31日付け比較
+9億ドル+11億ドル+2億ドル
@149.32@149.84+0.52

シカゴ・IMM

前週4月1日付け比較
-104億ドル-102億ドル-2億ドル
@150.68@149.96-0.72

米系大手証券会社が相次いでドル円相場の中期見通しを修正したが、個人的には違和感を感じない。

ゴールドマン・サックスは1年後のドル円相場予想を152円から135円に下方修正。

モルガン・スタンレーは相場予想と言うよりは現時点でドル売り&円買いの取引を勧めており、ターゲットは135円。

筆者はドルが大きく下げる可能性が高いと思っており、ドル円に関しては依然として「Sell on rallies.」(ドルが上れば、売り向かう)の戦略を続けたい。

今回の日経平均株価の暴落で日銀が利上げに消極的に成りつつあるとの観測が有り、日銀の利上げ継続を円ロング・ドルショートの根拠としていたシカゴ・IMMが、ポジションの縮小を図る可能性が有り、その時は3~4円のドル高&円安の進行が期待されるが、これは円の問題。

これからは根本的にはドル自身の問題となると考えており、円高からドル安、言い換えれば『円高進行』と言うよりは、『ドル安進行』にマインドをシフトするだけで良かろう。

今週のテクニカル分析の見立ては、ドル安の進行を示唆。

今週のレンジ

ドル円:144.00~147.50
ユーロ円:159.00~162.00

酒匂隆雄

酒匂隆雄 (さこう・たかお)

酒匂・エフエックス・アドバイザリー 代表
1970年に北海道大学を卒業後、国内外の主要銀行で為替ディーラーとして外国為替業務に従事。
その後1992年に、スイス・ユニオン銀行東京支店にファースト・バイス・プレジデントとして入行。
さらに1998年には、スイス銀行との合併に伴いUBS銀行となった同行の外国為替部長、東京支店長と歴任。
現在は、酒匂・エフエックス・アドバイザリーの代表、日本フォレックスクラブの名誉会員。


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