鈴木雅光の「奔放自在」

株価が暴落してもNISAを売ってはいけない

2025/04/25

> 無料のFX口座開設でお肉・お米のいずれかゲット!


トランプ関税をきっかけに株価が急落し、NISA投資に不安を感じていませんか?日経平均は高値から23.5%も下落。しかし、こんな時こそ冷静な判断が大切です。今売らずに長期投資を続けるべき理由を解説します。

大きく下げたのは日本株だけではありません。米国を代表する株価インデックスのS&P500は、今年の高値が2月19日の6147.43ポイントで、4月4日には5069.90ポイントの安値を付けています。率にして17.52%の下落でした。

無料FX口座開設で、お肉orお米プレゼント!

この株価急落で、特に不安な気持ちになったのは、2024年1月にNISAの制度見直しが行われ、それを機に投資を始めた人たちではないでしょうか。当時、よく言われていたのは、「新NISAはオンライン証券会社で、S&P500かオール・カントリーに連動するインデックスファンドを買っておけば良い」ということでした。

しかし、それらは今、直近の高値から見て、大きく値下がりしています。代表的なインデックスファンドとして、三菱UFJアセットマネジメントが設定・運用する「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」の基準価額を見ると、2月19日が3万3797円で、4月9日には直近安値の2万6296円をつけています。この間の下落率は22.19%です。

また「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」の基準価額は、2月19日が2万7796円で、4月9日には2万2305円まで下落しました。下落率は19.75%です。S&P500に比べて、オール・カントリーの下落率が低いのは、国・地域別ポートフォリオの63%が米国株ではあるものの、とりあえず国・地域別分散が効いていることと、それによって通貨別分散も図られているからと考えられます。

とはいえ、短期間で20%前後下げたわけですから、投資慣れしていない人たちからすれば大事でしょう。

でも、こんな時だからこそ冷静な対処が必要です。

まず、NISA枠で投資している分については、株価が急落したからといって全数もしくは一部を売却するのは、止めた方が良いでしょう。2023年12月までの旧NISAでは、一度売却もしくは解約すると、その枠は復活せず、減った枠のままでその後も運用し続けなければなりませんでした。これに対して2024年1月以降のNISAは、一度売却もしくは解約したとしても、その枠を再利用できます。成長投資枠とつみたて投資枠を合わせて、1800万円の生涯非課税枠を元本ベースで満たせるまで投資し続けることができます。

無料FX口座開設で、お肉orお米プレゼント!

ただし、枠の再利用が可能になるのは、売却もしくは解約した年の翌年になってからです。どれだけの額を売却もしくは解約するかにもよりますが、枠の復活が翌年になるため、継続的に資金を入れたとしても、どうしてもタイムラグが生じます。つまり、1800万円という生涯非課税枠を満たすのが目的の場合、このタイムラグがある分だけ、目標達成が先延ばしになってしまうのです。

それにそもそも、これらのファンドで積立投資をしている場合、どのくらいの損失が生じているでしょうか。

ここでは新NISAがスタートした2024年1月から2025年4月まで、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」に毎月、月初の基準価額で一定額を積み立てた額が、その後の基準価額の急落によって、どのくらいの損失を被ったのかを計算してみました。

毎月1万円ずつ定額購入した場合、2024年1月から2025年4月までの積立額は16万円です。ちなみに、2024年1月4日の基準価額は2万4154円で、20205年4月1日には3万512円まで値上がりしました。そして、4月1日時点の保有口数に対する評価額は、16万3987円です。

では、これが基準価額の下落によって、どの程度、目減りしたのかを見てみましょう。同ファンドの基準価額は4月4日以降、急落して、4月11日には2万7452円まで下落しました。この時点における保有口数に対する評価額は、14万7541円でした。4月1日時点の評価額に対する値下がり率は、10.02%です。

確かに、わずか8日間で10.02%の損失は、決して小さいものではありません。しかし、率ではなく金額ベースで損失を見た場合はどうでしょうか。月々の積立額を1万円にした場合、4月1日から11日までの間で被った損失額は、1万6442円です。

また、つみたて投資枠で毎月、積み立てられる枠めいっぱいまで投資したとしても、毎月10万円ですから、その10倍で損失額は16万4420円です。これは、月々のお小遣いが5万円という人にとっては、確かに厳しい金額ではありますが、つみたて投資枠に毎月10万円も投資できるような人は、それ以上の余裕資金を持っているはずです。そこから考えれば、16万4420円の損失は、十分に許容範囲内ではないでしょうか。

確かに連日、ニュースではトランプ関税の行方と共に、マーケットの乱高下が報じられており、なかなか落ち着かない日々ではありますが、このようにさまざまな角度から自分の投資収益を考えると、徐々に落ち着いてきます。少なくともこの下落では、投資しているものを手放さないことが肝要です。

鈴木雅光(すずき・まさみつ)

金融ジャーナリスト
JOYnt代表。岡三証券、公社債新聞社、金融データシステムを経て独立し(有)JOYnt設立し代表に。雑誌への寄稿、単行本執筆のほか、投資信託、経済マーケットを中心に幅広くプロデュース業を展開。


> 無料のFX口座開設でお肉・お米のいずれかゲット!


この記事をシェアする

無料会員募集中