オスカーは誰の手に
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スーパーボウルから1カ月するとオスカーの季節である。
ということで3月10日にはアカデミー賞の中継がある。
このところ映画館にはいかないで、ストリーミングのテレビを見ることが多い。
一応ベスト・ピクチャーのノミネートに上がった10本のうち、7本は見た。
最有力候補は“オッペンハイマー”らしいが、原爆を作った男の話であり、あまりうれしくない話が延々と続く上に、原爆使用に全く罪の意識のないアメリカの社会にはうんざりして、この映画には票を入れたくないと思った。
では何がいいかといわれると、”anatomy of a fall”が面白かった、有名な俳優も出ていないが、スイスの山小屋に住む、それほどうまくいってない夫婦の話であり、夫の転落死が自殺か他殺なのかを推論させるものである。Anatomy は解剖であるが、この映画では詳細なレポートというような意味で、転落を調査するものである。この映画の主演女優はサンドラ・ヒュラーというドイツ人の女優で、美人ではないが実に演技が素晴らしく、主演女優賞を上げたいが、たぶん無理だろう。
というのは今年の女優賞には“nyad”のアネット・ベニングがノミネートされているからである。
この話は長距離スウィマーの彼女が、キューバからフロリダ・キーまでを休みなく泳ぎ続けるという話である。なにせ60時間ずっと泳ぎ続けるのだから、格好なんかつけていられない。60歳のスウィマーがボロボロになってフロリダに泳ぎ着くのだから洟は出るは、日焼けで顔の皮がボロボロになるは、でおよそ女優の本来の美しさは全くない。
しかしアカデミーは今までにも大体女優賞はなりふり構わず汚れ役をやった女優にオスカーを授けることが多い。”hours”でバージニア・ウルフを演じた大美人のニコール・キッドマンは全く違う鼻をつけて登場し、不美人のバージニア・ウルフを熱演した功でオスカーを取った。
其の2-3年後に映画の名前は忘れたが、これも大美人の女優シャーリズ・セローンが、犯罪人の女に扮し、大不美人で登場これもオスカーを取った。
今回のアネット・ベニングは上記の二人の様にprimeのときの汚れ役ではなく、本当に汚れている様子を全然隠さないで世にさらしたという勇気に免じてオスカーを上げても良いのではないかと思った。
今回の主演女優賞には美人派として、ケイリー・マリガンとエマ・ストーンがノミネートされているがオスカーを取るにはやや弱い。したがって汚れ役のアネット・ベニングの目があるのではないかと思われる。
アカデミーはリベラルなので、黒人や有色人種だと得することが多く、主演女優ではもう一人、アメリカン・インディアンのリリー・グラッドストーンもノミネートされている。
映画を見たがオスカーに値するほどの演技ではなかった。彼女がオスカーを取ったら有色人種の下駄の所為だろう。
なお筆者は男優には興味がなくコメントはしない。
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