長期循環から読み解く円高の兆し
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ドル/円相場は昨年10月21日に、どう見ても異常な151円95銭という高値を見た。
なぜこんな高値が出るかといえば、これは1968年3月の米ドル紙切れ化(ドルと金の固定相場の崩壊)からの54年目の日柄からくる相場の長期循環の顕現であるからだ。
これに似た現象は1995年4月の円高異常値79円75銭である。バブル崩壊過程の日本経済の中で為替相場が異常に円高というのは説明し難い。これは説明不可能な相場であり、長期循環の顕現以外の説明はすべて後付けの嘘である。これは米ドル紙切れ化(1968年3月)からの27年目(黄金律54年の2分の1)という美しい日柄で出た長期循環の顕現以外の何物でもない。
それに比べると、今回の151円95銭の異常値は、米国インフレによる高金利、日銀の金融緩和への執着など説明しやすい(嘘の説明)。したがって、その高値を見た後の相場がどうなるかについては、米国金利の低下、日銀の金融緩和の修正などが材料として挙げられている。
ところがこれらはすべて、相場を説明するという仕事をする産業やエコノミストが、勝手に経済学という似非社会科学を使って相場を予測するという誤謬を犯しているから全く信用できない。物事の本質はそうではないが圧倒的に間違った社会常識がそれを支持しているので始末に悪い。
では物事の本質は何かというと、ドル円が長期循環の頂上を見たということは、長期循環の底まで円高が進行するということである。
その長期循環の底がいつかということではテンタティブ(仮説)には2028年4-5月とみている。
つまり相場は時々安値を見て折り返すが、基本的にはすべて2028年まで戻り売りが正解なのである。
現行の相場では昨年10月21日の高値151円95銭から1月16日の127円23銭まで循環相場円高の本来の動きがあったが、その後は3月8日に高値137円91銭まで戻る。その際米国金利上昇懸念が材料として使われたが、実はこれは2015年6月5日の高値125円86銭からの黄金律31四半期(7年9ヶ月)(正中点3月5日)の日柄を目指して相場が上昇したという日柄からの見方が正解である。
また5月2日には137円77銭とほぼ3月8日の相場とダブルトップを見たが、材料は日銀金融決定会合で何も決めなかったという荒唐無稽な説明がなされている。
しかし実はこれはさかのぼること40年半前の1982年11月4日の80年代ドル最高値278円31銭からの40.5年(162四半期)の正中点(5月4日)に向けて相場が上昇しただけのことである。このように過去の高値からの黄金律記念日に合わせて相場がシンクロナイズするぐらいしか、相場の戻りはなく、そのシンクロが終わると、循環相場本来の円高に動くのである。
因みに1982年11月4日の278円31銭から始まった円高は10週間で18%の円高を見ている。137円から18.5%の下落は111円65銭になる。
勿論16年サイクルトップからの下落であった82年の例とは比べるべくもないが、結構円高のスピードは速いかもしれない。
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