若林栄四 ニューヨークからの便り wakabayashi

米経済 デフレへの転換

2023/04/19

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米国の経済指標は、予想通り景気及びインフレーションのスローダウンを見せ始めている。

その割には、米国長期金利はすんなりと下がってこない。

日中あるいは一時的に10年物利回りが3.35%辺りまで見ることはあるが、上がってみれば3.5%台に押し戻されている。

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利回りが3.35%を引けで切るようになってくれば、大局で金利低下局面に入ったということができるが、ここ4週間ほど何度もトライしているが、どうしても下に切れない。

マーケットの利下げ方向への偏向が大きすぎるのかもしれない。

しかし筆者の見方は、大局から見て、米国はデフレに入るはずである。したがって金利は低下に転じるはずである。

考えてみれば昨年10月21日に4.3354%の最高利回りを見て、半年で1%以上も金利が下がるというのは少し無理筋かもしれない。長い目で見れば金利下げだろうが、ウォール・ストリートが望むほど早くはこないかもしれない。

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それでも2018年10月5日の利回り高値3.26%(その後2020年3月9日の利回り0.31%の前の高値)からの短月59ヶ月の正中点は23年4月15日にやってくる。一応1ヶ月の時差を与えると4月15日から5月13日の間に大きな変化が起こる可能性が高い。

また2020年3月9日の利回り最低点からの161.8(黄金律)の節目の161.8週目正中点は23年4月16日となっている。

その辺りを考えると、目先の利回り上昇は、相場が反転下落する前の準備運動のようにも考えられる。

利回りが3.35%辺りをしっかり下に切ってくれば、米国経済の長いデフレ不況の始まりを確認することになる。

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プロフィール

わかばやし・えいし
若林栄四

1966年東京銀行(現、三菱UFJ銀行)入行。シンガポール支店、本店為替資金部及びニューヨーク支店次長を経て勧角証券(アメリカ)執行副社長を歴任。現在、ニューヨークを拠点として、ファイナンシャル・コンサルタントとして活躍中。

【著書】
・黄金の相場予想
・世界一やさしい図解FXの教科書
・異次元経済 金利0の世界
・富の不均衡バブル
・etc

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