若林栄四 ニューヨークからの便り wakabayashi

NY株の売り時とは…

2022/10/14

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2月24日のロシアのウクライナ侵入からほぼ7月経過して、そろそろこの戦争の影響が薄れてくる時間帯だろう。また、9月の雇用統計は10月7日に発表されたが、これといった変化はみられなかった。

米国経済への本当の影響が表れてくるのは31週(7カ月+1週間)であるから、10月の数字が出てくるのは11月に発表の雇用統計からではないか。

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ただ、マーケットの方はそれを先取りしてそろそろ変化のタイミングに入ろうとしている。

インフレ騒ぎのピークは過ぎたが、依然数字はインフレ鎮静化の兆しを見せていない。

しかし、インフレのモメンタムは落ちている。しかし今まで何度もインフレ鎮静のトレードは騙されているので、マーケットは容易に乗ってこない。

そうこうするうちに高金利の景気への悪影響は、着々とそのエネルギーを蓄え、時間が来れば一気に噴火するだろう。

あまり信用はしていないが、有名なノーベル経済学賞の受賞者ポール・クルーグマンはNYタイムズへの定期寄稿で、来年にはその噴火が起こると断言している。

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残念ながらFRBは現実に数字を見ないと反応しないので、今度は、強烈なデフレ波がはっきりするまで、景気対策を打つことはしないだろう。

もはや世界の株価、債券の急落で4月以降で44兆ドルの時価総額の減少がみられている。

バランスシートから44兆ドルの評価益が消えてしまったわけで、すでにマネーの引き締めも、金利以外のデフレ要因として、その勢いを増している。

目先の相場の反騰はむしろ次に来るデフレ波の前兆であり、バブル破裂波の本格化の前の唯一の株売りのチャンスだろう。

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プロフィール

わかばやし・えいし
若林栄四

1966年東京銀行(現、三菱UFJ銀行)入行。シンガポール支店、本店為替資金部及びニューヨーク支店次長を経て勧角証券(アメリカ)執行副社長を歴任。現在、ニューヨークを拠点として、ファイナンシャル・コンサルタントとして活躍中。

【著書】
・黄金の相場予想
・世界一やさしい図解FXの教科書
・異次元経済 金利0の世界
・富の不均衡バブル
・etc

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