バイデン政権の考え方
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大統領に就任してからのバイデンの積極性に驚きを感じる人は多い。
ただのワシントン歴50年の政治屋だと思っていたのが、大変身なのである。
バイデン政権の下では今までの政権ほどエコノミストの力が強くない。
というかバイデンは経済学をそれほど信用していない。
これをバイデンは、高学歴者でないのでそれほど学問マインドがないからという人もいる。
過去の様々なエコノミストの議論の中で、現実にあまり役に立っていないのは、貧富の差の拡大、クライメイト・クライシス(グリーン対策)で効果的な対策がエコノミストから持ち出されたことはない。
エコノミストのグリーンクライシス対策では炭素税の導入などの提案がなされているが、バイデンは一蹴している。政治的自殺行為になるような炭素税の創設などは全く政権としては考えていない。エコノミストというのは政治的に通用する提案をするべきであるというのがバイデンの考え方である。エコノミック・バイアビリティ(経済的実行可能性)よりポリティカル・バイアビリティ(政治的実行可能性)のほうが大事である。
1.9兆ドルの追加刺激策の中で、国民に人気の高い1400ドルの追加見舞金について、ラリー・サマーズ(クリントン政権とオバマ政権での財務長官)は、これだけのカネを配っても、いらない人にも配ってしまう可能性があるので、非効率であるとエコノミスト的発言で反対する。それに対して、人気のある政策をすることは大事で、人気がなくなれば、将来人々のために良い政策を打つこともできなくなるとポリティカル・バイアビリティの議論で押し切ってしまうのがバイデンである。とにかく貧困層と中間層を大事にすることが大事で、そのためにはポリティカル・バイアビリティをキープすることが主眼である。
バイデン政権には財務長官にジャネット・イェレン前FRB議長のようなエコノミストを配しているが、彼女はオバマ政権下のラリー・サマーズのように主要な政策提案者というよりは、One of Themという立場で議論に参加する。
従ってイェレン財務長官の発言はFRB議長時代のエコノミストではなく、より政治寄りの発言であることに留意すべきだ。
バイデンはオバマ政権の副大統領であったので、その時の経験から学ぶものが多い。
オバマ大統領は2008年のリーマン・ブラザース証券の破綻で、2009年の就任早々、巨額の財政資金投入で大恐慌入りを防ぎ、またオバマ・ケアーで2千万人に医療保険を提供するなどの善政を敷いた。さらに金融セクターの規制改革などを行った。
これ等の政策は主にエコノミック・リスクの視点から大事なものであったが、その結果政治的に失ったものも多い。
オバマ・ケアーはティー・パーティー(茶会党)などのポピュリズム政党の反対にあい、2010年中間選挙で民主党下院敗北の原因となった。この下院の敗北でオバマ大統領のアジェンダは終了となる。
2014年には上院の多数も失う。2016年にはトランプの当選を許す。
その結果最高裁判事の保守化を何十年にわたって保証するという政治的敗北を喫する。
これ等が、エコノミック・リスクに重点を置き、ポリティカル・バイアビリティを失ったオバマ政権の失敗である。
バイデンはこれから学んだ。
民主党の力を取り戻すためには、徹底的にポリティックス(政綱)に重点を置く政策をとり、政権の座にとどまり続けることが大事だという認識である。
1400ドルの追加見舞金は、民主党政権は人々のことを真剣に考えているということを示す大事な機会である。そうでないと人々はまたすぐトランプ的なものに戻るのである。
Government doing too much(政府はやり過ぎ)のほうがGovernment not doing enough(政府は十分やっていない)より大事なのである。
1980年はレーガン大統領が逆のスローガンでGovernment doing too muchの弊害を叫び、政府の介入を排する政治を提案したのである。40年経つと世の中は変わるのである。
政治もそれについて変わっていかなければならない。
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