たっしーが教える、中国株なら俺に聞け!! tashiro

2日のハンセン指数は2.18%安、証券株が売られる!!

2025/01/02

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中国株投資家のみなさん、明けましておめでとうございます。
2025年もよろしくお願いいたします。
2日(木)のハンセン指数は安寄り後、売り込まれる展開となり、終値は2.18%安、1万9623.32ポイントで引けました。

2日(木)の中国企業指数は2.73%安で引けました。

参考として、2024年以降の主要4指数の値動きを示しておきます。

31日(火)現地時間10:00に発表された国家統計局、中国物流購買聯合会による12月の製造業PMIは50.1で、3か月連続で景気の拡大縮小を判断する分かれ目となる50を超えはしたのですが、前月よりも▲0.2ポイント悪化しています。
相場への影響は発表が場中のしかも浅い時間であったことから、31日の段階で既に織り込まれている部分もあるでしょう。
市場予想をやや下回っているとはいえ、サプライズと言えるほどのショックではなく、景気が悪ければ短期的に景気を支えようとする対策が強化されるとみる向きもあります。
ただ、足元でいえば、追加の政策が発表されるとしても、経験上、15日(水)の統計発表のせいぜい数日前ではないかとみられます。
また、上海総合指数は31日(水)、1.63%安となりましたが、まだ、テクニカルな支持線あたりに留まっていました。
しかし、2日(木)は、寄り付きは前営業日終値と比べわずかに安い程度だったのですが、場中では売られ続け、終値では2.66%安となり支持線を大きく割り込んでしまいました。
年末年始の休暇のために欧米系投資家の売買比率が低いと思われる2日(木)は、本土相場につれ安した部分もあると思います。
やはり景気の回復力の弱さが気になるところです。
製造業PMIの話に戻りますが、今回の結果について、中国物流購買聯合会の張立群特別アナリストは次のように分析しています。
「かろうじて50を超えていることから、経済が引き続き回復基調にあるとわかるが、直面する下押し圧力は大きい。
受注指数は小幅に上昇しているものの、出荷価格指数は引き続き下落している。
これは需要が依然として回復基調にあるものの、供給過剰といった需給バランスの崩れが依然として深刻であることを示している。
このため、生産指数、生産経営活動予想指数がいずれも低下している。
全体として、経済を回復させる要素と市場において需要を収縮させ、経済を下押しする圧力とが相互にぶつかり合う(景気が回復するかどうかを決める)重要な時期にあり、中央経済工作会議で示された計画に従い、より積極的で効果的なマクロ経済政策の導入を加速する必要がある。
とりわけ、公共財への政府投資を大幅に拡大し、できるだけ早く受注を増やし、企業の生産経営活動を引き続き回復させる必要がある」
結構、厳しい評価です。
セクター別では金融全般が売られています。
証券では、中信証券(06030)が7.26%安、中国銀河証券(06881)が6.63%安、保険では、中国人民保険(01339)が4.91%安、中国平安保険(02318)が4.02%安、銀行では、中国工商銀行(01398)が4.06%安、中国建設銀行(00939)が3.62%安と売られています。
景気の悪さ、足元の株価下落などが嫌気されたのでしょうが、証券についてはさらに悪材料がありました。
マスコミ報道によれば、2024年のA株IPOは100社、資金調達額は667億7600万元に留まり、2023年と比べ社数は213社減り、資金調達額は2897億6300万元減少したようです。
業績の悪さ(引受業務)を示唆するデータが出たことで証券セクターが特に大きく売られています。

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プロフィール

たしろ・なおき
田代尚機

中国株アナリスト
1958年生まれ。愛知県出身。大和総研、内藤証券、リード・リサーチ・アンド・プロダクツ(株)を経て独立、TS・チャイナ・リサーチ(株)を設立。現在は生活の拠点を中国に移し、日本と中国を行き来しながらフリーランスとして活動中。マスコミ、金融機関や、個人投資家向けに情報提供を行っている。大和総研勤務時代に1994年から9年間、北京に駐在、中国経済、個別企業の調査を担当。それ以来、中国経済、企業に関する情報提供をライフワークとしている。社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。
【著書】
・人民元投資入門
・中国株「黄金の10年」
・レッド・センセーション好機到来!

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