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8月の経済統計は下振れだが、当局のスタンスは政策効果出現待ち!!

2024/09/16

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中国株投資家の皆さん、こんにちは。

16日(月)、17日(火)の本土市場は中秋節のため休場となります。

以下、先週末までの上海総合指数の日足を示しておきます。

先週の上海総合指数は下げトレンドが続き、さらに底割れ状態となりました。

今週前半が休場となることから、積極的に買いポジションを取りにくい状況でした。

また、8月の月次経済統計の発表が14日(土)にあったこともあり、投資家の様子見姿勢が強まりました。

もっとも、年初来安値となる2月5日の2635.09ポイントや、下値抵抗線となる2700ポイントは下回りませんでした。

ただ、2月5日の安値を付けたのは長い春節休場が始まる4日前でした。

この時は、国家隊による買い支え、大株主に対する売買規制に関する報道や、都市不動産融資協調メカニズムを全面的に計画し、実行に移すための会議が開かれたことなどによって、上海総合指数はV字回復しています。

今回は新たな目立った政策情報がないため、上海総合指数は底割れとなっています。

気になる8月の月次経済統計の結果ですが、一言で言ってしまうと、はっきりとした景気回復の兆しはみられません。

物価、貿易統計と合わせ、以下に結果を示しておきます。

鉱工業生産:4.5%増(前月よりも▲0.6ポイント低下)

固定資産投資(累計):3.4%増(前月(累計)よりも▲0.2ポイント低下)

小売売上高:2.1%増(前月よりも▲0.6ポイント低下)

CPI:0.6%上昇(前月よりも+0.1ポイント上昇)

PPI:▲1.8%下落(前月よりも▲1.0ポイント低下)

輸出:8.7%増(前月よりも+1.7ポイント上昇)

輸入:0.5%増(前月よりも▲6.7ポイント低下)

製造業PMI:49.1(前月よりも▲0.3ポイント低下)

ぱっとみて、CPI、輸出以外はすべて▲が付いており、前月よりも悪化していることがわかります。

不動産関連の指標については以下の通りです。

全国不動産開発投資(累計):▲10.2%減(前月(累計)と変わらず)

商品不動産販売面積(累計):▲18.0%減( 〃 よりも+0.6ポイント改善)

商品不動産在庫面積(月末):13.9%増(前月末よりも▲0.6ポイント低下)

こちらも、悪化はしなかったぐらいの結果です。

現在の景気動向について統計局は“国際環境が複雑で厳しく、不安定で、予想しにくい状況となっていること、高温・悪天候など自然災害による影響があったことなどが悪化の要因だ”と指摘しています。

今後の見通しについて“マクロ政策の効果がはっきりと表れ、新しい経済を引っ張るエンジンが成長を加速させるだろう”としています。

これまで実施してきた諸政策、特に大規模な設備更新政策、消費に関する以旧換新政策などについて、それらの効果が出てくるのを待っているといった態度とも見て取れます。

足元の景気変動は“ノイズに近い”と言いたいようで、景気が悪化スパイラルに陥るような感じではないと判断しているようでもあります。

不動産政策については、そもそも“小バブルを作り出し、それをばねに戻す”ような発想は、当局には全くありません。

“不動産バブルの後処理はあくまでこれ以上の悪化を防ぐことが主体であって、それによる景気後退についてはイノベーションの加速や、設備更新、買い替え促進などで対処したい”。

“日米欧とは金融システムの構造が根本的に違うので、金融不安に対する抵抗力は強いし、実体経済に対するウォッチは細かくやっていて、金融機関をしっかりとグリップできているので大丈夫”と言いたいのでしょう。

株価に対する下支えは行われているし、資本市場改革にも力を入れているので、大崩れしたらすぐに戻しそうなので、長期投資ができるならここは買いなのでしょうが、買い急がなければならないような状況でもなさそうです。

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プロフィール

たしろ・なおき
田代尚機

中国株アナリスト
1958年生まれ。愛知県出身。大和総研、内藤証券、リード・リサーチ・アンド・プロダクツ(株)を経て独立、TS・チャイナ・リサーチ(株)を設立。現在は生活の拠点を中国に移し、日本と中国を行き来しながらフリーランスとして活動中。マスコミ、金融機関や、個人投資家向けに情報提供を行っている。大和総研勤務時代に1994年から9年間、北京に駐在、中国経済、個別企業の調査を担当。それ以来、中国経済、企業に関する情報提供をライフワークとしている。社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。
【著書】
・人民元投資入門
・中国株「黄金の10年」
・レッド・センセーション好機到来!

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