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12日のハンセン指数は0.77%高、薄商いの中、自律反発!!

2024/09/12

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中国株投資家のみなさん、こんにちは。

12日(木)のハンセン指数は高寄り後、狭いレンジでの売り買い交錯となりました。

終値は0.77%高、1万7240.39ポイントで引けています。

12日(木)の中国企業指数は0.58%高で引けました。

参考として、2024年以降の主要4指数の値動きを示しておきます。

上海総合指数が底割れしているのに対して、ハンセン指数は足元で下げ基調であるとはいえ、8月6日の急落から8月30日の戻り高値までのほぼ半値戻しの水準にあります。

景気は停滞気味ではありますが、一段と悪化しているわけではありません。

悪材料を一通り織り込んでいるので、欧米機関投資家のリスク許容度の変化に影響を受けやすい相場が続いています。

来週月曜日(16日)、火曜日(17日)の本土市場は中秋節のため休場となりますが、そのため、月次統計の発表は14日(土曜日)とやや変則です。

ややこしいのですが、香港市場については16日、17日は通常通りに取引が行われ、18日(水曜日)が休場となります。

香港市場は、動きづらい局面とあって、薄商いの中、欧米要因で自律反発しています。

保険セクターが買われています。

AIAグループ(01299)が3.67%高、中国人民保険(01339)が1.70%高、中国平安保険(02318)が1.31%高で引けています。

新華社は9月11日、国務院が発布した「監督管理を強化しリスクを防ぎ、保険業の高い質の発展を推し進めるための若干の意見」の内容を公開しました。

それをみると、まず、保険資金の長期投資に関する優位性を発揮させると示しており、“戦略的新興産業、先進製造業、新型インフラ設備などの領域に対する投資を強化する”、“保険資金をハイテクイノベーション、ベンチャー投資、郷村振興、グリーン低炭素産業の発展を支持するように誘導する”などと強調しています。

また、2029年、2035年までに達成すべき目標がやや抽象的な形で示されています。

中国人民保険集団の某幹部は、この“若干の意見”の意義について「養老保険、健康保険、ハイテク保険、グリーン保険、農業保険、再保険、巨大災害保険といった重点商品を伸ばす良いチャンスであり、“保険+サービス+ハイテク”といったビジネスモデルを創造することで、業務構成の最適化をさらに進めることができる」などと説明しています(新浪財経、9/12)。

保険会社において新たな成長のチャンスが広がるとともに、長期投資資金の不足に悩む株式市場にとって、朗報と言えるでしょう。

また、10日に急落したバイオ関連企業ですが、11日、12日は大きく戻しています。

無錫薬明康徳新薬開発(02359)は5.96%高、薬明生物技術(02269)は3.36%高、凱莱英医薬集団(06821)は4.33%高と買われています。

米国下院は9日、国家安全保障上の懸念を理由に、米国企業向けに臨床試験や研究開発のサポート(下請け)などを行う中国のバイオ関連企業が連邦政府と契約することを禁止する法案を306対81で可決しました。

もっとも、今後上院を通過させ、大統領による署名があって、はじめて成立することになります。

中国側は差別的だと強く米国側を非難していますし、中国企業を使いたい米国企業の思惑もあり、まだ、確実に成立するとまでは言えません。

一方で、この話は今年年初に法案が議会に提出されており、関連銘柄の株価はそれ以降、大きく下げており、8月に入ってからは底打ち感も出てきました。

株価は法案成立を織り込んで下げているとみられ、もし成立が阻止されることになれば大きく戻すことになりそうです。

また、法律には抜け道があるし、他国との取引、国内需要の拡大などについて、市場は過小評価しているといった見方もあります。

この法案成立で事業が成り立たなくなるわけではないと考えるのであれば、ハイリスクを承知で、関連銘柄を小さく打診買いしてみてもよいのかもしれません。

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プロフィール

たしろ・なおき
田代尚機

中国株アナリスト
1958年生まれ。愛知県出身。大和総研、内藤証券、リード・リサーチ・アンド・プロダクツ(株)を経て独立、TS・チャイナ・リサーチ(株)を設立。現在は生活の拠点を中国に移し、日本と中国を行き来しながらフリーランスとして活動中。マスコミ、金融機関や、個人投資家向けに情報提供を行っている。大和総研勤務時代に1994年から9年間、北京に駐在、中国経済、個別企業の調査を担当。それ以来、中国経済、企業に関する情報提供をライフワークとしている。社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。
【著書】
・人民元投資入門
・中国株「黄金の10年」
・レッド・センセーション好機到来!

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