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9日の上海総合指数は1.06%安、底割れ!!

2024/09/09

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中国株投資家の皆さん、こんにちは。

9日(月)の上海総合指数は安く寄り付いた後、終日売りに押される展開となりました。

大引けにかけて少し戻してはいますが、終値は1.06%安の2736.49ポイントで引けています。

セクター別では、バイオ医薬、旅行・ホテルなどが買われました。

一方、貴金属、自動車、石炭、銀行などが売られました。

9日(月)の創業板指数は0.06%高となりました。

9日(月)の上海50指数は1.35%安となりました。

先週の上海総合指数は買い手不在の中、国家隊などの買い支えがあっただろうとはみているのですが、かろうじて2800ポイント付近に留まっていました。

しかし、9日は寄り付きから窓を開けて下げており、場中も積極的な買いは入らない中、下げています。

強いて好材料を探すとすれば、創業板指数は下げておらず、何とか底割れが回避されていることぐらいです。

個人投資家の物色意欲はかろうじて残っています。

国家統計局は9日現地時間9:30、8月の物価統計を発表しました。

CPIは前月と比べ0.1ポイント高い0.6%上昇となりましたが、豚肉、野菜の上昇が主な要因で、総需要が回復してきたからというわけではありません。

市場予想に対しては0.1ポイント下振れしています。

豚肉については、生産過剰(価格低下)→飼育量の減少→供給不足(価格上昇)といった荒っぽいサイクルを繰り返していて、現時点では供給不足による価格上昇局面にあるということです。

気になるのは、供給サイクルの底辺にありながら、景気減速を意識して、生産者が思い切った子豚の増産体制に入ろうとしない点です。

豚肉価格の上昇はしばらく続く可能性がありそうです。

野菜については、8月の高温多雨といった天候要因が大きいようです。

収穫周期は比較的短く、天候さえ回復し供給が正常化すれば、価格は戻るでしょう。

PPIについては▲1.8%下落で前月よりも▲1.0ポイント低く、市場予想を▲0.4ポイント下回りました。

需要不足に国際コモディティ価格の下落が加わり急落しています。

つまり、川上ではコストプッシュの価格上昇、川下では需要不足などによる価格下落が生じており、機関を中心に投資家は、景気の悪さを意識した可能性もありそうです。

上海総合指数について週足で確認すると、今年1~2月の下げ局面とよく似た形になってきました。

年初来安値は2月5日場中で記録した2635.09ポイントですが、そこを“割るか、割らないか”の攻防に突入しそうです。

前回は、都市不動産融資協調メカニズムの実施が材料視され、大きく戻しています。

景気が戻らない最大の要因は不動産不況なので、そこへの政策が株価回復のポイントになるだろうとみています。

中国の金融システムはほぼ国有と言ってもよい体制であり、社会主義国として当局の市場コントロール力は格段に強いことから、金融不安を心配することはないと考えています。

ただ、不動産神話による価格の下方硬直性が強く、投機需要の抑え込みが効きすぎていて、需給のアンバランスが大きいのも事実です。

国家がもっと大胆に在庫を買い取り、適正な価格で賃貸物件として供給するとか、現在も目立たないように行なわれている国有企業に勤める社員への格安での物件譲渡とか、二件目以上の住宅取得に対する規制緩和とか、何らかの更に踏み込んだ政策の発動が待たれるところです。

不動産バブルで暴利を貪った不動産会社や、収入を増やすために中央の指示を半ば無視して不当に高い値段で土地を売却し、不動産投機を煽った地方政府、投機による不労所得の獲得に熱を上げた消費者などに対して、中央は妥協することなく、徹底的に粛清したいのでしょう。

景気が多少悪くなろうが、国家によるコントロールが可能なので、大丈夫だと考えているのでしょう。

また、戦略的新興産業に集中的に資金を供給する仕組みを作り、不動産をはじめとした古い産業ではなく、イノベーションで成長を加速させたいのでしょう。

そうはいっても、まずは足元の景気を安定させなければ、社会不安が醸成されかねません。

株価の下落に対しては、資本市場改革の一環として、当局ははっきりと下支えする姿勢を示しているので、効果ある対策、先ほど示した不動産に関連する政策の発動などが待たれるところです。

政策が出れば前回同様、急回復の可能性があるので、リターンリバーサルを狙うチャンスともいえそうです。

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プロフィール

たしろ・なおき
田代尚機

中国株アナリスト
1958年生まれ。愛知県出身。大和総研、内藤証券、リード・リサーチ・アンド・プロダクツ(株)を経て独立、TS・チャイナ・リサーチ(株)を設立。現在は生活の拠点を中国に移し、日本と中国を行き来しながらフリーランスとして活動中。マスコミ、金融機関や、個人投資家向けに情報提供を行っている。大和総研勤務時代に1994年から9年間、北京に駐在、中国経済、個別企業の調査を担当。それ以来、中国経済、企業に関する情報提供をライフワークとしている。社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。
【著書】
・人民元投資入門
・中国株「黄金の10年」
・レッド・センセーション好機到来!

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