たっしーが教える、中国株なら俺に聞け!! tashiro

18日のハンセン指数は0.82%高、悪材料を織り込み下げ止まる!!

2024/04/18

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中国株投資家のみなさん、こんにちは。

18日(木)のハンセン指数は寄り付き直後こそ前日終値付近でのもみあいとなりましたが、その後は上昇に転じています。

ただ後場に入ると上値が重くなり、終値は0.82%高の1万6385.87ポイントで引けました。

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18日(木)の中国企業指数は0.94%高で引けました。

参考として、2023年以降の主要4指数の値動きを示しておきます。

ハンセン指数は12日以降下げていましたが、17日には下げ止まり、18日には反転しています。

このあたりの動きはTOPIX、NYダウと似ており、おおよそ、米国の利下げ期待の後退といったグローバル投資家のリスク回避行動によるものだとみています。

中国のファンダメンタルズ要因としては、16日に発表された1-3月期のGDP統計、3月の月次統計などが挙げられます。

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最も注目度の高い1-3月期の実質GDP成長率は5.3%となり、昨年10-12月期と比べ0.1ポイント高く、市場予想よりも0.7ポイントも高くなりました。

これだけ予想よりも上振れしているのですから、16日のハンセン指数は大きく上昇してもよさそうなものですが、そうはなっていません。

本土エコノミストたちの評価は冷静です。

気になった分析(平安証券)を一つ紹介しておきます。

1-3月期の名目GDP成長率は4.0%なので、実質値との差は1.3%となります。

デフレーターの動きをさかのぼってみると、2023年4-6月期から4四半期連続でマイナス(名目<実質)となっています。

株価もそうですが、企業業績も名目値での評価ですので、その点(デフレ)に注目すれば“景気は良くない”、“需要不足は依然として深刻だ”ということになります。

3月の統計についてみると、こちらはネガティブな結果となりました。

鉱工業生産は4.5%増で、1-2月と比べ▲2.5ポイント低く、市場予想を▲1.5ポイント下回っています。

小売売上高は3.1%増で1-2月と比べ▲2.4ポイント低く、市場予想を▲1.5ポイント下回っています。

固定資産投資(3月累計)については4.5%増で、1-2月を0.3ポイント上回っています。

製造業が9.9%増で1-2月を0.5ポイント上回っており、政策の効果が表れているようですが、不動産投資が依然として厳しい状況です。

不動産販売面積、在庫面積などはわずかに改善していますが、全国不動産開発投資は▲9.5%減で前月から▲0.5ポイント悪化しています。

不動産不況である以上、不動産市場が回復しない限り、本格的な株価の回復は難しいでしょう。

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ただ、足元の状況が悪いことが株価にプラスに働く面もあります。

政策の強度が上がること、投資家の政策期待が高まることです。

この部分が意識されたからこそ、統計発表のあった16日以降、ハンセン指数は下げ止まったとみています。

米中関係についてはバイデン大統領が17日、ピッツバーグで演説し、中国の補助金政策を批判、鉄鋼、アルミ製品の制裁関税を現在の平均7.5%から20%を超える水準に引き上げることを検討すると表明しています。

ですが、一方でバイデン大統領は4月2日、習近平国家主席と電話会談を行っており、イエレン財務長官は4月4~9日、中国を訪問しており、ブリンケン国務長官は4月23日から4日間の日程で中国を訪問する予定です。

秋に行われる大統領選で劣勢が予想されるバイデン大統領ですが、挽回を図るには有権者に対して対中政策で厳しい姿勢を示す必要があるでしょう。

しかし、足元では経済や金融面を考慮して、中国との関係を安定させようとしています。

こうした状況をみる限り、対中関係が急激に悪化するといったリスクを感じている投資家は少ないのかもしれません。

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プロフィール

たしろ・なおき
田代尚機

中国株アナリスト
1958年生まれ。愛知県出身。大和総研、内藤証券、リード・リサーチ・アンド・プロダクツ(株)を経て独立、TS・チャイナ・リサーチ(株)を設立。現在は生活の拠点を中国に移し、日本と中国を行き来しながらフリーランスとして活動中。マスコミ、金融機関や、個人投資家向けに情報提供を行っている。大和総研勤務時代に1994年から9年間、北京に駐在、中国経済、個別企業の調査を担当。それ以来、中国経済、企業に関する情報提供をライフワークとしている。社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。
【著書】
・人民元投資入門
・中国株「黄金の10年」
・レッド・センセーション好機到来!

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