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27日のハンセン指数は1.41%高、政策期待で続伸!!

2023/07/27

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中国株投資家のみなさん、こんにちは。

27日(木)のハンセン指数は大きく高寄りした後、旺盛な買いに支えられ上昇、終値は1.41%高の1万9639.11ポイントで引けました。

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27日(木)の中国企業指数は1.86%高で引けました。

参考として、2023年以降の主要4指数の値動きを示しておきます。

27日のハンセン指数は寄り付きから大きく買われています。

米国利上げ打ち止め見通しからNYダウが13連騰中ですが、そうしたグローバルなリスクテイクの動きが背景にあって、さらに共産党が24日に下期の経済運営方針を決めたことで、これまでショートしていたNY上場の中国株に対して買戻しが入ったとみられます。

香港株でも同様な現象が起きているとみられ、この3営業日の間に地合いは大きく好転、27日のハンセン指数終値は、一気に200日以下4本の移動平均線の上方に顔を出しています。

24日に中央政治局会議が開かれ、下期の経済運営方針が示されました。

月曜日(24日)のブログでは触れておりませんが、それはこの会議が共産党内部の会議であり、内容が事前に漏れるようなことはなかったからです。

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国務院による会議や統計発表とは異なり、市場が事前にフライング気味の反応を示すこともありませんでした。

各マスコミが一斉に内容を報道したのは翌日になってからなので、市場への影響も25日に入ってからとなりました。

政策期待が大きく高まったことで、24日までの閑散相場が一変しています。

簡単に会議のポイントを示しておきます。

まず、重要なのは現在の経済状況を共産党はどのように認識しているかという点ですが、その点について“今年に入り、経済は持続的に回復しており、全体としては好転しているものの、足元の経済運営は新たな困難に直面している”、“国内の需要が不足しており、一部の企業の経営が困難であり、重点領域における隠れたリスクが比較的多く、外部環境が複雑で厳しい”と分析しています。

まずは、国内需要を積極的に拡大するために消費を活性化させる必要があるとしています。

上期からすでに行われているのですが、下期においても、自動車、家電などの大衆消費や、スポーツ・リクリエーション、カルチャー・旅行などのサービスを活性化させる方針です。

米国の対中強硬策により、対外貿易が影響を受けかねない状況ですが、その点について、改革開放をさらに深めるとしています。

具体的には、国際便の増便とか、中国欧州間の列車の増便などのほか、自由貿易試験区、自由貿易港などを利用した積極的な外資導入政策などが打ち出されることになるでしょう。

投資家の最も関心の高いのは不動産関連の政策ですが、2つの視点から方針が示されています。

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ひとつは、需要面からの刺激策です。

これまで不動産バブルを厳しく抑え込むために長年行われてきた“購入制限、貸出制限、不動産価格制限”などの緩和がさらに進むのではないかと予想されます。

各地域によって温度差はあるのですが、すでに購入制限の一部は緩和され、頭金比率の引き下げ、不動産ローン金利に対する優遇策なども打ち出されています。

こうした部分で下期はさらに積極的な支援策が打ち出される見通しです。

もう一つは、地方政府内の不動産開発のためのプラットフォーム企業に対する救済です。

地方政府の債務リスクを軽減するための債券発行のための政策パッケージが今後打ち出される見通しです。

民生の部分では、新卒を中心とした若年層の就業問題が深刻で、この部分の問題を解決するために、零細企業、ベンチャービジネスの活性化などによる就業の吸収が図られるとみられます。

最も重要なのは、共産党が現状の景気について、決して楽観視していないという点です。

現段階では、大きな方針が示されただけです。

今後、各地方政府、中央の主管部門などから、できれば五月雨式に具体的な細かい政策が打ち出されるような状況が望まれます。

そこまでいけば、今度は好転の状況が数字として表れてくるでしょうし、恩恵を受ける企業の受注状況、売り上げ状況が大きく改善するようになるでしょうから、そうした銘柄が相場をけん引する形で、ハンセン指数はしっかりとした上昇トレンドを形成するでしょう。

真っ先に政策の恩恵を受けそうな不動産、非鉄金属、あるいは自動車、消費関連などに注目です。

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プロフィール

たしろ・なおき
田代尚機

中国株アナリスト
1958年生まれ。愛知県出身。大和総研、内藤証券、リード・リサーチ・アンド・プロダクツ(株)を経て独立、TS・チャイナ・リサーチ(株)を設立。現在は生活の拠点を中国に移し、日本と中国を行き来しながらフリーランスとして活動中。マスコミ、金融機関や、個人投資家向けに情報提供を行っている。大和総研勤務時代に1994年から9年間、北京に駐在、中国経済、個別企業の調査を担当。それ以来、中国経済、企業に関する情報提供をライフワークとしている。社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。
【著書】
・人民元投資入門
・中国株「黄金の10年」
・レッド・センセーション好機到来!

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