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17日の上海総合指数は0.87%安、低調な経済統計を嫌気!!

2023/07/17

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中国株投資家の皆さん、こんにちは。

17日(月)の上海総合指数は安寄り直後の早い時間帯に売り込まれたのですが、売り一巡後は横ばい圏の動きとなりました。

大引け前にやや値を戻し、終値は0.87%安の3209.63ポイントで引けました。

セクター別では、環境、厨房機器などが買われました。

一方、自動車、半導体・部品、石炭などが売られました。

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17日(月)の創業板指数は0.75%安となりました。

17日(月)の上海50指数は1.07%安となりました。

本土セルサイドのエコノミストたちは、現在のマーケットに関して、経済、政策、投資家心理のいずれの面でも今がボトムだといった見方を披露していますが、5月中旬以降、同じようなことを言い続けており、そのことが現在の本土マーケットの状況を端的に表現していると思います。

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最大の問題は景気の回復力が期待ほど強くないことです。

4-6月期、6月の経済統計が17日現地時間10:00に発表されましたが、いずれもやや厳しい結果となりました。

4-6月期の実質経済成長率は6.3%で1-3月期と比べれば1.8ポイント改善しているのですが、比較対象となる昨年の同じ時期は上海でのロックダウンによる影響(ただし、5月中旬からは政策効果で急回復)から景気の落ち込みが激しかった時期です。

その点を考慮してエコノミストたち(市場コンセンサス)は7.1%程度の成長が期待できるとみていたのですが、実際には予想を0.8ポイント下回りました。

6月の統計では、鉱工業生産は前月よりも0.9ポイント高い4.4%増で、市場予想を1.9ポイント上回ったのですが、小売売上高は急増した前年同月の反動から前月と比べ▲9.6ポイント低い3.1%増で、市場予想に対しても▲0.2ポイントほどショートしています。

6月累計の固定資産投資は3.8%増で、5月累計と比べ▲0.2ポイント下回っています。

注目の不動産関連の統計ですが、6月累計の不動産開発投資は前月累計を▲0.7ポイント下回る▲7.9%減、商品不動産販売面積は▲6ポイント下回る▲6.9%減、商品不動産在庫面積は1.3ポイント拡大し17.0%増でした。

全体を通してみれば、やはり不動産部門の不振が目立ちます。

昨年来の需要、供給両サイドでの支援策が効いていない点が気になります。

ただ、それほど悪いなら、もっと崩れてもおかしくないと思うかもしれませんが、本土市場は政策に対する感度が高いといった特徴があります。

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上期の景気動向、経済運営を総括し、下期の政策方針を新たに示すための会議(中央政治局会議)が通常であれば7月下旬に開かれるのですが、本土投資家はこの会議を意識しています。

過去の経験から、現状に悲観して、このタイミングで投げてしまったりすると、その直後に政策が発動され、株価は大きく戻してしまうということが繰り返されています。

そうした市場の呪縛があるので、出来高が膨らまない中、17日の本土市場は膠着したのでしょう。

不動産政策としては、不動産ディベロッパー向けに融資を拡大しても、消費者向けに住宅ローン金利を引き下げ、融資姿勢を緩くしても、購入制限を緩和しても、不動産市場は回復の兆しを見せてくれません。

長年にわたり、各層による投機を抑えきれずに不動産バブルを膨らませてしまったことも合わせて考えると、市場を人為的に支えたり、抑えたりするのは容易ではないということがよくわかります。

ただ、若者たちによる根強い実需や、危険なほど老朽化していたり、質の悪い住宅に住む人々による住み替えのための旺盛な需要が確実にあります。

正しい政策を打ち出せば回復する可能性はあるはずです。

統計発表を終えた本土市場は7月下旬に開かれる中央政治局会議の結果を待つ段階となりそうです。

足元で好調が予想される夏の旅行、消費シーズンへの期待などもあり、下値は意外に硬いのではないかとみています。

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プロフィール

たしろ・なおき
田代尚機

中国株アナリスト
1958年生まれ。愛知県出身。大和総研、内藤証券、リード・リサーチ・アンド・プロダクツ(株)を経て独立、TS・チャイナ・リサーチ(株)を設立。現在は生活の拠点を中国に移し、日本と中国を行き来しながらフリーランスとして活動中。マスコミ、金融機関や、個人投資家向けに情報提供を行っている。大和総研勤務時代に1994年から9年間、北京に駐在、中国経済、個別企業の調査を担当。それ以来、中国経済、企業に関する情報提供をライフワークとしている。社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。
【著書】
・人民元投資入門
・中国株「黄金の10年」
・レッド・センセーション好機到来!

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