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15日のハンセン指数は1.55%安、利益確定売りに押される!!

2022/12/15

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中国株投資家のみなさん、こんにちは。

15日(木)のハンセン指数は安寄り後、薄商いの中、様子見の展開となりました。

終値は1.55%安の1万9368.59ポイントで引けました。

15日(木)の中国企業指数は1.65%安で引けました。

参考として、2022年以降の主要4指数の値動きを示しておきます。

テクニカルに見れば、ハンセン指数は200日移動平均線に上値を抑えられる形で日柄調整をしているようにみえます。

2万ポイント前後には上値抵抗線があるようにも見えます。

このあたりで上値が重くなるのは仕方がないのかもしれません。

悪材料をあえて挙げれば、FRBが50BPの利上げを発表したことです。

ドルとのペッグ制を採用している香港では、追従利上げをしなければなりません。

パウエル議長はインフレ率を抑え込まない限り、利上げを止めない方針を改めて示しており、米国金利に上昇圧力がかかっています。

香港では金融政策の自由度が非常に低いという点が本土金融市場と決定的に違う点です。

15日現地時間10:00に11月の経済統計が発表されました。

結果は以下の通りです。

鉱工業生産:2.2%増(前月と比べて▲2.8ポイント低下)

固定資産投資(累計):5.3%増(前月(累計)と比べて▲0.5ポイント低下)

全国不動産開発投資(累計):▲9.8%減(〃 ▲1.0ポイント低下)

小売売上高:▲5.9%減(前月と比べて▲5.4ポイント低下)

11月は新型コロナ感染者数の拡大による影響が強く出て、経済指標は大幅に悪化しました。

ただ、市場は大した反応を示していません。

新型コロナ対策は”ゼロコロナ”から”感染放置による集団免疫獲得”へと政策が180度変わりました。

現地(北京、長春など)の状況をヒアリングする限りでは、当局がPCR検査をしなくなったこと、抗原検査で感染が確認され、かつ、熱が出ていても自宅での隔離が常態化したことなどから、身近にも感染者があふれています。

当局が感冒並みかそれ以下の毒性しかないと公表しているものの、人民の新型コロナに対する恐怖心は簡単には消えません。

小売店も、レストランも開店してはいるのですが、客足は途絶えたままです。

感染率は80~90%に高まるだろうと専門家は発言していますが、それは逆にそこまで高まれば集団免疫が獲得できて流行が収まるということなのでしょう。

そうなるまで、どれだけ時間がかかるかわかりませんが、少なくとも12月の経済統計は11月をさらに下回る結果となりそうです。

ですが、景気が深く落ち込めば、それだけ回復も急になると予想する投資家は多く、そうした観点からすれば、11月の経済統計の悪さはさほど気にならないということなのでしょう。

当面、気を付けなければならないのは、毒性が本当に低いかどうかです。

感染による死者が急増しているというような話が出てくれば、集団免疫を獲得する前に、ゼロコロナ政策に逆戻りしかねません。

ただ、新型コロナを既に感冒扱いとしている英国などは、今のところうまく行っているようなので、それほど神経質になることはないだろうと思います。

ハンセンハイテク指数が2.39%下落しています。

10月までに大きく売り込まれた反動で急反発してきただけに、市場全体が様子見ムードとなれば、利益確定売りが出やすくなります。

ハンセン指数が押し目を作るような相場展開となれば、ハイテク株に買いのチャンスが生まれそうです。

これから中国は、冬場の一番寒い時期を迎え、感染の拡大しやすい季節となります。

さらに、クリスマス、正月、旧正月(1/21~27)と、本土市場は長い冬休みモードに入ります。

市場の最大の関心事が新型コロナ禍である以上、香港市場も本土市場に連動するとみています。

集団免疫獲得による景気の急回復を織り込む大相場が始まるのは、一か月以上先になるのではないかと予想しています。

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プロフィール

たしろ・なおき
田代尚機

中国株アナリスト
1958年生まれ。愛知県出身。大和総研、内藤証券、リード・リサーチ・アンド・プロダクツ(株)を経て独立、TS・チャイナ・リサーチ(株)を設立。現在は生活の拠点を中国に移し、日本と中国を行き来しながらフリーランスとして活動中。マスコミ、金融機関や、個人投資家向けに情報提供を行っている。大和総研勤務時代に1994年から9年間、北京に駐在、中国経済、個別企業の調査を担当。それ以来、中国経済、企業に関する情報提供をライフワークとしている。社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。
【著書】
・人民元投資入門
・中国株「黄金の10年」
・レッド・センセーション好機到来!

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