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25日の上海総合指数は5.13%安、北京市でのゼロコロナ対策の強化を嫌気!!

2022/04/25

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中国株投資家の皆さん、こんにちは。

25日(月)の上海総合指数は安く寄り付いた後も、終日売りに押される展開となりました。

終値は5.13%安の2928.51ポイントで引けています。

全面安の展開です。

銀行、証券、保険といった金融や、空港、空運などの大型株は比較的下げ幅が小さく、EC取引、金属新材料、PC関連といった小型材料株が大きく売られました。

25日(月)の創業板指数は5.56%安となりました。

25日(月)の上海50指数は4.65%安となりました。

状況は悪い方向に動いてしまいました。

北京市でも新型コロナ禍による都市封鎖が目立ち始めました。

知人が北京市の朝陽区に住んでいるのですが、彼らのマンションも24日にいきなり”マンション封鎖”の通知があったそうです。

“25日(月)から仕事に出かけることができないが困るだろう”と尋ねてみたのですが、”生きてるだけましだ”といった答えが返ってきました。

彼らは一様に、”新型コロナは非常に恐ろしい感染症だ”と刷り込まれていると感じます。

もう一つ我々と決定的に違うと感じることは、当局の強権におしなべて従順です。

さらに社会システムの違いを上げると、当局の命令(指示)は良く言えば柔軟、悪く言えば朝令暮改です。

24日にはマンションを完全封鎖すると伝えられたのですが、25日にはPCR検査が終われば外に出てよいことになったそうです。

当然、検査結果などすぐには出ません。

知り合いはマンション区から出ることができて出勤しています。

朝方に検査したので、結果は夕方にはわかるようですが、その時に陽性反応となればとても面倒なことになるでしょう。

知人は「マンション区の住人の中に陽性患者が新たに見つかった場合には完全封鎖になるだろう」と言ってますが、同時に、明日の規則がどうなるかは”誰にもわからない”そうです。

多くの日本人にとって、どうやって都市封鎖しているのかわかりにくいと思うので、簡単に彼らの居住環境を説明しておきます。

中国の都市部では、ほとんどの住民が塀や、建物で外部と遮断された”小区”と言われるマンション群で暮らしています。

日本でいえば、大規模に開発されたマンションのような感じです。

マンションに出入りできる門が限られるので、そこを管理すれば、全員を効率よく閉じ込めることができるのです。

また、あらゆるマンションにはいわゆる管理組織があります。

その管理組織が”区政府”と直結していているので、当局の指示はマンションのSNSを通して住人にタイムリーに伝わるといった仕組みです。

中国社会は、日本とは全く異なるシステムで、しっかりとグリップされているということです。

全体の状況を示しておきます。

24日現在、発病ベースの本土新規感染者数は2666人でした。

このうち、上海は全体の93%にあたる2472人でした。

そのほか、吉林が79人、黒竜江が26人、北京が14人、江西が14人、浙江が13人、湖南が12人で、10人以下の地域が11あります。

わずか14人しかいない北京市でも一部で都市封鎖が出始めたことが、サプライズとなりました。

この統計で、気になるデータがもう一つあります。

累計死亡者数は4776人となり、前日と比べ51人増えている点です。

一週間前の18日は4648人でした。

11日は4638人、昨年12月31日4636人でした。

つまり、昨年末から二週間前までは死亡者は2人しか出ていませんでしたが、ここ1週間で128人も出ています。

25日だけで51人です。

このデータについて、一体どう評価すべきなのでしょうか。

統計の連続性に問題がある、もっとはっきり言えば、不正確であり、それは政治的な要因に起因しているのではないかと思われる点です。

直近の死亡者数が正確なのか、以前が正確なのかわかりません。

はっきり言えることは、当局の新型コロナ禍への対応、すなわちゼロコロナ対策には大きな闇がありそうだということです。

本土のコンセンサスとしては、

“新型コロナは極めて恐ろしい疾病なので、完全に封じ込めなければならない”

→”オミクロン株やその変異種は感染力が強いので、ゼロコロナ対策は難しい”

→”今後、北京市で感染が広がるかもしれず、もし、北京市で感染が広がるなら全国に広がるかもしれない”

→”経済への影響は計り知れない”

→”一旦売っておこう”

といったところでしょう。

一つだけ明るい材料は、北京市(朝陽区)のゼロコロナ対策は長春市と比べ、ずいぶんと穏やかだという点です。

PCR検査は2日に1回行うが、出勤は可能という程度の対策であれば、経済面への影響は相対的に軽微です。

ゼロコロナ対策がこうした方向に調整されていくようであれば、それが大きなポジティブサプライズとなるでしょう。

人民元の下落、ストックコネクトを通じた本土株の大幅売り越し(資金流出)なども相場下落の要因に挙げる市場関係者もいますが、元凶は新型コロナ禍であり、もっとはっきり言えばゼロコロナ対策です。

相場は、”ゼロコロナ対策の緩和待ち”です。

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プロフィール

たしろ・なおき
田代尚機

中国株アナリスト
1958年生まれ。愛知県出身。大和総研、内藤証券、リード・リサーチ・アンド・プロダクツ(株)を経て独立、TS・チャイナ・リサーチ(株)を設立。現在は生活の拠点を中国に移し、日本と中国を行き来しながらフリーランスとして活動中。マスコミ、金融機関や、個人投資家向けに情報提供を行っている。大和総研勤務時代に1994年から9年間、北京に駐在、中国経済、個別企業の調査を担当。それ以来、中国経済、企業に関する情報提供をライフワークとしている。社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。
【著書】
・人民元投資入門
・中国株「黄金の10年」
・レッド・センセーション好機到来!

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