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7日の上海総合指数は2.17%安、本土投資家もリスク回避へ!!

2022/03/07

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中国株投資家の皆さん、こんにちは。

7日(月)の上海総合指数は安寄り後、終日売りに押される展開となりました。

終値は2.17%安の3372.86ポイントで引けています。

セクター別では、産金関連が買われました。

一方、空港・空運、レジャー施設・旅行、飲料、半導体・部品、自動車などが大きく売られました。

7日(月)の創業板指数は4.30%安となりました。

7日(月)の上海50指数は2.86%安となりました。

指数の下落率をみる限り厳しい下げではありますが、全面安までには至っていません。

取引のあった上海A株、深センA株合わせて4642銘柄のうち、18%に当たる831銘柄が先週末終値比でプラスを確保しています。

ハンセン指数、日経平均なども、安値を切り下げて急落しています。

本土に特殊な要因があって下げたということではなく、素直に欧米機関投資家同様、本土個人投資家もウクライナ侵攻による世界経済の混乱に嫌気したということでしょう。

国際情勢の悪化で、産金セクターが上昇しています。

一方で、エネルギー関連では、石油開発サービス関連が堅調なことを除けば、石油・天然ガスにしても、石炭にしても、一旦、落ち着いています。

もちろん、先週はエネルギー関連全般が買われていたので、国際市況の変化に本土市場が鈍感なわけではありません。

ただ、欧米、日本などとは違い、アメリカがロシアの石油輸出を制限しようとしていることに対しては反応していません。

中国とロシアとの関係、ロシアと欧米との関係に決定的な違いがあります。

王毅外相は7日、全人代第5回会議による記者会見でロシアとの関係性を明確に示しています。

ロシア側の記者が、”西側はロシアに対して日増しに集団で制裁圧力を増長させているが、このことはロシア中国関係のさらなる発展にどのような影響があるのか”と質問しています。

それに対して、”私が強調して指摘しておきたいことは、中国とロシアの関係は、独立自主の価値観を有し、同盟を結ばず、対抗せず、第三者に対しないといった基礎の上に立っており、さらに、第三者の干渉や挑発を受け入れないということだ”などと答えています。

一方、ロイター記者による”中国側は問題解決に向けた更なる努力を行うかどうか”との質問に対しては、”話し合いを勧め、促す必要がある”と答えています。

ロシアのウクライナ侵攻開始2日後に、習近平国家主席とプーチン大統領の電話会談が行われたのですがその際、習近平国家主席は両国双方ができるだけ早く話し合いを行うことを希望すると述べ、それに対してプーチン大統領も前向きに答えたことを伝えています。

世界が分裂し対抗するリスクに直面しており、新たな冷戦が形成されるといった懸念に対しては、平和維持、団結促進、開放堅持、提携強化の4つのポイントが重要だとしています。

アメリカに対しては厳しい発言が目立ちました。

特にインド太平洋戦略に関する発言が気になりました。

・・・インド太平洋戦略の真の目的はNATOの焼き直しであり、アメリカ主導による覇権体制の維持であり、ASEANを中心とした地域協力構造への攻撃であり、地域国家全体、長期の利益に対して損害を与えることである。地域国家の求める平和への希求、発展の模索、提携の促進、ウイン-ウインの関係を築きたいとする共同の願望を打ち砕こうとするもので、前途のないものだ・・・

また、アメリカが開こうとしている民主サミットへの批判もありました。

ウクライナ情勢に関して中国がアメリカに協力する可能性は極めて低いと思います。

表立って積極的にロシアを助けることはないでしょうが、ロシアとの投資、貿易が中国の利益になるなら、その範囲でロシアとの関係を強化するでしょう。

ロシアは中国との交易、金融取引を通じて、ギリギリのところで持ちこたえることができるはずで、そうであれば、ウクライナが非武装化、中立化するまで、侵攻は続きそうです。

この日、貿易統計が発表されました。

1、2月の輸出(ドルベース、以下同様)は16.3%増、輸入は15.5%増でした。

欧州向け輸出は24.2%増、輸入は▲0.2%減、アメリカ向け輸出は13.8%増、輸入は8.3%増でした。

中国への批判を強める欧米ですが、中国からの輸出は相変わらず好調です。

裏返せば、政治がいくら中国を排除したくとも、実体経済は中国との交易を強く求めています。

そのほか、台湾向け輸出は10.9%増、輸入は19.7%増、アセアン向け輸出は13.3%増、輸入は12.8%増、日本向け輸出は7.5%増、輸入は6.9%増でした。

ロシア向けも示しておくと、輸出は41.5%増、輸入は35.8%増でした。

貿易額自体は日本の46%、アメリカの21%、中国の貿易額全体から見ればわずか3%に過ぎません。

ロシアの経済規模は十分小さいので、中国が経由地となり貿易を行えばロシアは十分やって行けそうです。

ロシア中央銀行が決めるルーブルとの交換レートを中国に認めさせるのは厳しいかもしれません。

ロシアは足元を見られるでしょうが、中国に利益がある以上、取引は成立するでしょう。

西側諸国もロシア同様、中国との貿易なくして経済は成り立ちません。

中国には貿易といった何物にも代えがたい武器があります。

最後は政治よりも経済が勝つと予想すれば、中国株が世界各国と同様に下がっている現状は買いのチャンスと見ることもできます。

欧米の政治筋は経済を軽視しすぎています。

このままでは、欧米経済はスタグフレーションで破綻してしまいます。

彼らがその過ちに早く気付くことに期待しましょう。

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プロフィール

たしろ・なおき
田代尚機

中国株アナリスト
1958年生まれ。愛知県出身。大和総研、内藤証券、リード・リサーチ・アンド・プロダクツ(株)を経て独立、TS・チャイナ・リサーチ(株)を設立。現在は生活の拠点を中国に移し、日本と中国を行き来しながらフリーランスとして活動中。マスコミ、金融機関や、個人投資家向けに情報提供を行っている。大和総研勤務時代に1994年から9年間、北京に駐在、中国経済、個別企業の調査を担当。それ以来、中国経済、企業に関する情報提供をライフワークとしている。社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。
【著書】
・人民元投資入門
・中国株「黄金の10年」
・レッド・センセーション好機到来!

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