金利高,ドル高,そして株安。
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先週はあまたのメディアが、“日銀、マイナス金利解除か?”のニュースを掲げて市場はそれを織り込む中、日経新聞が土曜日の朝刊で満を持したかの様に、“マイナス金利解除へ。日銀、17年ぶりの利上げ。”と言うヘッドラインで今回の政策決定会合(18日~19日)での“大規模緩和から正常化に向かう金融政策変更。”を伝えた。
これで今回の決定会合でのマイナス金利解除は決まりと見て良かろう。
為替市場では決定会合を前にして先々週146.48までドル安&円高が進んでいたが、先週は打って変わってドル高&円安の動きが進み、市場では多くが“マイナス金利解除は織り込み済み。”との講釈を垂れていたが、実際は米長期金利上昇=ドル高、そして株安(ニューヨーク株式市場の3指数の下げは小さいものであった。)と言う極めてノーマルな動きが出ていたのであろう。
先週発表になった米国2月消費者物価指数(CPI.)が市場予想を上回る3.2%、そして2月卸売物価指数(PPI.)も同じく市場予想を上回る1.6%の上昇を見せてFRB.による早期利下げ期待が後退して長期金利が上昇してドルが対円のみならずその他主要通貨に対しても上昇した。
政策決定会合を前にして今回のドル下落&円上昇の動きの火を付けた海外の投機筋は素早くドルを買い戻した後に、“日銀がマイナス金利解除後も金利を上げずに緩和政策を続け、FRB.が利下げを急がないのであれば日米金利差は大きくは縮小せず、ドル安&円高は長続きしない。”と嘯く。
癪ながらその通りだと思う。
只、海外の投機筋は今回の政策決定会合で長短金利操作=イールド・カーブ・コントロール(YCC.)の撤廃や上場投資信託(ETF.)や不動産投資信託(REIT.)の新規買い入れをどうするかの議論が行われることをよく理解していない。
筆者は政策決定会合迄はドル安&円高傾向が続き、その後は6月のFOMC.に向けてドル高&円安が続くと見ていたが、どうやらBuy on rumor, sell on fact.(円を会合前に買って、会合後に売る。)で会合前に円が先立って売られた感が有る。
決定会合の議論の中身や、会合後の植田日銀総裁の記者会見の内容次第では未だ一波乱有りそうである。
更に今月は年度末に当たり、海外進出企業の利益送金(レパトリ)やGPIF.や大手機関投資家によるリバランス(アセットを等分化する為の通貨分散)なども考えられ、ドル安&円高に振れるリスクにも留意したい。
先週まではそろい踏みで“買われ過ぎ。”を警戒していたテクニカル分析はまちまちとなり、上にも下にも行き易い状況となっているが、戦略としては中長期的な動きを考えて再びBuy USD on dips.=(ドルが下がったら買う。)と言う戦略が有効と思われる。
先週3月12日付で我が国個人投資家は前週から6億ドル買い持ちを増やし、シカゴ・IMM.は約12億ドル分の円の売り持ち(ドルの買い持ち)を減らしている。
今週のテクニカル分析の見立ては、上下両方向の動きに注意。
149.25を上切ったら更なる上昇、逆に147.50を下切ったら更なる下落に注意。
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