151円の壁。
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株式市場が世界同時株高で沸く中、ドル・円相場の動きが鈍い。
じわじわと上がるのだが、どうしても151円の壁が超えられず、かと言って149円を切って行く様な勢いも無い。
結果として150円を挟んでの静かな取り引きが続いている。
ドル・円相場は、先週も概ね150円台で静かに推移していたが、木曜日にそれまでハト派的(金融緩和に積極的)と目され、極めて執行部の考えに近いとされていた政策決定会合のメンバーである高田審議委員が、滋賀県金融経済懇談会で講演し、2%の物価安定目標の実現が見通せる状況になってきたとし、強力な金融緩和からの出口対
応に向けた検討が必要との見解を示したことを受けて、ドル・円相場は急落して安値149.21を示現した。
市場は150円台では介入警戒感を抱いており、高田発言が肩をポンと押してドル売り&円買いを誘った感が有る。
只ブラジル・サンパウロで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議後の会見で植田総裁は“私の考えでは物価安定目標の実現が見通せる状況にはまだ至っていない。引き続き賃金動向などを見極めたい。”と高田審議員とは違う見解を出した為に相場は直ぐに150円台を回復した。
日銀審議員と総裁発言に振り回された感が有るが、今はBuy on dips.(ドルが下がれば買い。)を続けながら、当面は151円の手前では利食えと言うことか?
ディーラー諸君の説明によると151円台手前にはオプション絡みの防戦売りが控えており、151円を上切るのは容易ではないが、これを超えると逆にドル買いをしなくてはならない仕組みになっているらしい。
ドル・円相場は、2022年10月に付けた151.94と2023年11月に付けた151.91の所謂“ダブル・トップ”に続く“トリプル・トップ”になるのか、それとも続伸するのかの分岐点に差し掛かっていると言える。
(注:ダブル・トップ=上昇トレンドが終わる際に現れる、アルファベットの「M」のような形に見えるチャートパターン。相場の天井を示し、上昇トレンドが下降トレンドに転換することを示す。
ダブル・ボトムはその逆パターン。
トリプル・トップ=同じ水準に連続して3回つけられた高値と、その間にある安値によって形成される反転パターンのこと。価格が3回高値の水準に達した後、反転して中間に位置する安値の水準を下回ると、高値から安値の差とほぼ同じ値幅分、価格が下落することが予想される。
トリプル・ボトムはその逆のパターン。)
ドル・円相場は2022年高値151.95円を付けた後、本邦通貨当局によるドル売り&円買い介入で127円台まで急落し、昨年高値151.91円を付けた後は植田日銀総裁のチャレンジング発言により140円台まで急落した。
ドル円が151円台に乗せた場合は、ドル売り&円買い介入の可能性に警戒しておきたいが、今回は日経平均株価が史上最高値を更新するなど、前回、前々回のドル高&円安時とは金融環境が異なっており、個人的には155円を伺う展開にならない限り、介入の可能性は少ないと考えている。
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