テクニカル的にはそろそろドルは天井圏?
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先週、本年最初の日銀政策決定会合が開催された。
“注目の”と書きたいところだが、元日の能登半島地震のせいでゼロ金利解除からの脱却は時期尚早であろうとの観測が台頭しており、市場の予想通り政策変更は行われなかった。
会合後の記者会見で植田総裁は、“物価目標実現の確度、引き続き少しずつ高まっている。”と述べて政策変更に前向きの印象を与えたものの、“マイナス金利を解除しても極めて緩和的な環境が続く。必要があれば躊躇なく追加的な金融緩和措置を講じる。”とも述べて、相変わらずその真意がハト派的(金融緩和に積極的)なのか、タカ派的(金融引き締めに積極的)なのか、良く分からないものであった。
ドル・円相場は会合終了直後こそ“変更無し。”を受けて148.52迄ドルが買われたが、植田総裁の会見直後には146.98迄急落し、その後148.69迄値を戻すと言う荒い展開を見せた。
植田総裁が言いたいことは、“物価情勢やマイナス金利の副作用などから鑑みて、そろそろ超金融緩和政策を止めなければとは思うが、そう焦りなさんな。”で、市場の早期の政策変更期待に対してある程度牽制をしておきたいのであろうか?
これはある意味FRB.が市場の年内の6回程度の利下げ期待を牽制したいとの思惑とも似ている気がしないでもない。
中央銀行は伝統的に金融政策変更による市場へのインパクトが過剰になることを嫌う。
利上げであれ、利下げであれ、政策変更により過剰に景気減速や物価上昇が起きてしまうことは困るのだ。
その点FRB.は時には外部のメデイア(ウォールス・トリート・ジャーナルのニック・ティミラオス氏。)を使って観測記事を書かせたり、FRB.高官が全く異なった意見を述べて市場の反応を見たりして、ある意味市場との対話を重視する。
はっきり言って、その点我が日銀は市場との対話が下手くそだ。
政策決定会議と総裁記者会見後にドル・円相場が乱高下するのは、決定・発言内容が分かり難くて見出しに反応するAI.やアルゴリズムがその本意を直ぐには理解出来ないからなのであろう。
さて今週は、30日~31日の予定でその“市場との対話が上手。”なFRB.による今年最初のFOMC.が開催される。
市場は先発の日銀政策決定会合と同じく、今回は政策変更無しと見るが会合後のパウエルFRB.議長の記者会見が注目される。
先週までの米経済指標は、概ね米国経済の強さを示す内容であったが、それを基にパウエル議長が市場参加者によるFRB.の早期利下げに対する過度な期待をけん制する発言を行えば米長期金利の上昇と共にドル高が促される公算が大きい。
そして更なるドル高&円安要因は新NISA.による外貨需要である。
相変わらずその詳細については杳として知れず、この高所(ドル高&円安状況)では甚だ居心地が悪いと感じるのだが、実需のドル買いには抗えない。
それに対するドル売り&円買い要因として先週GPIF.(年金積立管理運用独立行政法人)のフォワード取引開始について触れたが、こちらもその全容がさっぱり掴めない。
GPIF.が緘口令を敷いているのではないかと思われる程、皆口が硬くて喋りたがらないのだ。
“規模が大き過ぎてそのインパクトは計り知れない。”
“確かに2022年に急激な円安進行を抑える為に政府筋がGPIF.にヘッジ売りをすることを打診した。”
とかの意見を聞いたが、具体的な話は誰も知らない。
その内、何らかの情報が漏れ出て来ることであろうか?
今週は月末要因に加え、FOMC.そして1月米国雇用統計の発表を控えてドル・円相場は神経質な動きを見せると思われる。
テクニカル分析では一部のインディケーター(ボリンジャーバンド、MACD.、ストキャスティクス、RSI.など)がドルの下落を示唆し始めた。
そろそろドルの反転下落にも注意する必要が有ろうか?
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