最近分からない事が多い。
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ドル・円相場の騰勢が止まらず、先週の金曜日には高値148.80迄上昇して、年初に付けた安値140.80から丁度8円上げたことになる。
今年から始まった新NISA.(少額投資非課税制度。)での外貨需要がドル上昇の大きなDriving force.(原動力)であったであろうことは重々承知しているのだが、詳細がさっぱり分からない。
新NISA.による潜在的な円売り額を大手証券会社は数兆円と言いい、ある著名な為替アナリストは8兆円、そして違う人物は16兆円とも言う。
もしそんな巨額であるのであれば、当局が幾ら介入してもドル高&円安の流れを止めることは甚だ難しいものになるであろう。
先ずこれが最初の、“分からない事。”の一つである。
次に分からない事は日米中央銀行による金融政策変更のタイミングである。
先週もFRB.高官による市場の早期利下げ期待を牽制する発言が相次ぎ、又先週発表された12月の米小売売上高が予想を上回る内容であったことや、米新規失業保険申請件数が予想以上に減少し、米労働市場の底堅さを示したことで米国10年債利回りは4.142%まで上昇した。
個々の経済指標の結果に一々反応して右往左往するのは敵わないが、市場が常に正しいことを忘れてはならない。
次に分からないのは日銀の出方である。
昨日から本日迄開催されていた政策決定会合で、政策変更無しと発表されたが、植田総裁の真の胸の内は誰も分からない。
前回の決定会合以来、何がチャレンジングだったのかよく分からないが、今年はもう少し市場との対話をスムーズにして欲しいものだ。
FRB.の利下げタイミングが遅れ、日銀が政策変更を行わないのであれば日米金利差縮小も先送りとなり、その上新NISA.による円売りが台頭すればドル高&円安の動きが続く様な気がするが、先週は鈴木財務相が、“為替相場を注視している。”と久し振りにマイナーな円安牽制発言を行った。
ドル・円相場が150円に近付くにつれ、益々口先介入の可能性は増すことであろう。
最後の分からない事は先週発表された、GPIF.(年金積立管理運用独立行政法人)が2024年から外国債券先物と為替フォーワード取引を始めると言うニュースである。
GPIF.は2023年9月末時点の運用資産額が約220兆円に上る世界最大の年金基金であるが、現在は資産配分を国内外の債券と株式に25%ずつ等分に振り向けている。
筆者の理解が正しければ、ヘッジ付き外債投資(購入した現物外債の為替リスクを減らす為に先物でドルを売る。)は国内債券投資と見做しており、為替リスクが存在する外貨建て資産は110兆円を超えることとなる。
GPIF.がどの様な形で為替フォーワード取引なる物を始めるかは全く分からないが、円安進行を止めたい政府の意向を汲んで実弾介入が出る前に最初のオペレーションを行う可能性は有ると思うが、これは筆者の勝手な憶測であることをお断りしておく。
110円兆円の10%は11兆円、たかが1%でも1.1兆円。
巨額であることは間違いない。
今週は矢鱈と“分からない事”が多過ぎてポジションを一方向に傾けるのは危険であろう。
個人的には、このレベルには高所恐怖を感じるが、かと言ってドルをショートにするには未だタイミング的に早いかも知れない。
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