マーケットはドル•ロング。
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先週のドル・円相場はFRB.高官によるハト派的発言により米国長期金利が大きく下落し、ドル・円相場もつれ安となって、週足で3週連続して陰線を記録した。
(注:これまでタカ派と目されていたFRB.理事のウォラー氏が“インフレ率がさらに数か月間低下し続ければ金利が高止まりし続けると主張する理由は無く、政策金利を引き下げ始めることが出来る。”と述べた。)
この3週間の高値は1月13日に付けた151.91、安値は11月29日に付けた146.66で実に5円25銭(約3.5%)の大下げである。
前月から半分以下の伸びとなった非農業部門雇用者数(+15万人)を示した米国10月雇用統計発表後から懸念され始めた米国景気減速、そして前月から0.5%下落して年率3.2%となった米国10月消費者物価指数発表後から沸き上がったFRB.による利上げ打ち止め感が米国長期金利低下を促したが、矢張り何と言ってもマーケットがドルの
買い持ちとなっており、その解消のドル売り&円買いの動きがドル・円相場の大きな下げの要因となったと思われる。
11月13日の高値151.91を付けた翌日の11月14日時点でのシカゴ・IMM.の円の持ち高はネットで円の売り持ち130,249枚(ドル換算で約107億ドルの買い持ち)で、その後の148円台への急落の背景には彼らの円の買い戻し(ドルの売り戻し)が考えられたが、サンクスギビングデイの影響で遅れて発表された11月21日時点のポジションは僅
かにネットで円の売り持ちが24,795枚(約20億ドル)減っただけの105,454枚(約89億ドル)で、驚いたことに翌週の11月28時点では再び円の売り持ちが3,783枚(3億ドル)増えてネットで109,237枚の円の売り持ち(ドル換算で約92億ドルの買い持ち)となっているのだ。
因みに我が国個人投資家は多少減ったものの、11月28日付で依然として同じくドルの買い持ち(約4億ドル)となっている。
先週の安値146.66を付ける段階で彼らが円の買い戻し(ドルの売り戻し)を図った可能性は高いが、明らかに彼らはドルのロング(買いポジション)で捕まったことは明らかである。
さて問題は彼らがこれだけのドルの下落(円の上昇)を見た後も、歯を食いしばって円のショート(ドルのロング)を保持するかである。
ドルをロングにしていると日米短期金利差である5.5%のご褒美がスワップ・ポイントとして手に入る為、そのポジションの解消が遅れ気味となる。
逆にドルをショートにしているとペナルティーのスワップ・コストがずしりと効いて、早目にドルを買い戻して利食う傾向が有る。
現在、筆者の回りに長期でドルをショートにしているプレーヤーは皆無である。
多くがドルが上昇した時点でドルを売り、それを短期間に買い戻すと言う、所謂トレーディングに徹している。
陰線を表している週足を見ても分かる様に、ドル・円相場は上下を繰り返しながら毎日レベルを下げており、日々の高値で売ってそれを下で買い戻すと言う取引をしていれば、スワップ・コストを払わずに十分に勝てるチャンスは有る。
筆者が思うところ、
-市場は依然としてドル・ロングである。
-プロのプレーヤーは無理をせず、上がったところで売り、下がったところで買い戻すと言うオペレーションを行っており、ドルの頭は重い。
-テクニカル分析は依然としてドルの下落を見越している。
と思われ、Sell on rallies.=(上がったら売る。)と言う戦略が有効と思われる。
今週は今回のドル下げのきっかけとなった11月の米国雇用統計の発表が予定されており、市場予想は非農業部門雇用者数が先月の+15万人から+19万人へと大きく伸びるとしており、ドル反転のチャンスが有りそうである。
今年最後(?)のドル売りのチャンスとなるかも知れないが、12月に入り市場の流動
性が減少すると共にボラティリティー(変動率)が増加する。
思わぬ相場の動きに注意したい。
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