金利ゼロか、5.3% か?
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先週発表された注目された9月の米国PPI.(卸売物価指数)は前年比で市場予想を上回る2.2%、又CPI.(消費者物価指数)も同じく3.7%と米国インフレ指標の下落が鈍化を見せる中、ドル・円相場は依然として日米金利差によるドル買い意欲と、我が国
金融当局によるドル売り&円買い介入に対する警戒へのドル売り意欲が拮抗して149円を挟んでの神経質な動きながらも、徐々にじり高の展開を見せている。
そんな中、先週鈴木財務相が驚くべき発言を行った。
どういう状況での発言かは定かではないが、“今の円安は金利差によるもの。”と発言したのだ。
そんな事は誰でも分かっている。
この発言の裏を返せば“金利差があるから円安は当然だ。”と言えなくもない。
150円を超えた段階で介入が有ったか、否かと市場が疑心暗鬼になり、“矢張り150円を超えると介入が出るだろうな?”と期待が高まる中、“今の円安は金利差によるもの。”と言い放っては元も子もない。
いみじくも週末、国際通貨基金(IMF.)の幹部が、“為替はファンダメンタルズによって大いに動かされる。金利差が有る限り円は下落圧力に直面する。為替介入が妥当なのは市場の機能不全や金融安定リスクの高まり、インフレ見通しの不安定化と
言った場合だが日本は今、どれにも当てはまらない。介入は現時点では必要ない。”と発言した。
余計なお世話だと思うが、筋の通った話とも言える。
筆者は何れ日米金利差は縮小する。そうなると自ずからドル・円相場は下落するであろうからそれまでドル売り&円買い介入を行って時間稼ぎをすれば良いと思っていたが、総大将である財務大臣があの様な発言を行い、IMF.からも介入に対してのネガティブな意見を聞くに至って、果たして150円でドル高&円安の動きが止まるかどうか自信が無くなってきた。
言い換えればアメリカが利下げを始め、日本が利上げを始めてはっきりと日米金利差が縮小することが明白にならないと、中々円高には成り難いのだろう。
ドル売り&円買い介入を行うには我が国の外貨準備を使う。
現在の外貨準備は凡そ185兆円(約1兆2500億ドル)有る。
我が国の個人金融資産は凡そ2100兆円あり、その半分の凡そ1000兆円が銀行預金、郵便貯金そしてタンス貯金の利息を全く産まない勘定に眠っている。
実に勿体無い!
この1000兆円の1%が金利差に目覚めてドルに向かったら。10兆円!
たった0.1%でも1兆円!
我が国の外貨準備なんて数日で無くなってしまう。
最近大手投資銀行が年率5.3%のドル預金を推奨始めたが、果たして怒涛の様にゼロ金利の円から5.3%のドルへ資金シフトが起きるか?
(実はこのドル預金、ぱっと見程魅力的でないことは後日にでもご説明致しましょ
う。)
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