植田日銀総裁インタビュー。
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9月9日(土)の読売新聞朝刊の一面に興味深い記事が掲載された。
ヘッド・ラインは、
-日銀総裁 マイナス金利解除“選択肢” 賃金・物価上昇なら
とあり、2面、そして9面に続く3ページにも渡る記事であった。
記事中の大文字を抜粋すると、
-現状は緩和維持
-緩和継続 物価上昇上振れ警戒
-“粘り強く”枠組み維持
-緩和“静かな出口”探る
-賃上げ見極めは“年末”
-政策判断 データ重視
とあり、まとめると
“2%の物価安定目標の実現には未だ距離が有るので現状の緩和政策は維持するが、賃金と物価の好循環を見極める為のデータが年内にも揃う可能性が有る。
賃金上昇を伴う持続的な物価上昇に確信が持てた段階になれば、マイナス金利政策の解除を含めて色々なオプションが有る。“であろうか?
これが何故日経新聞ではなく読売新聞の単独インタビューとなったのかは極めて興味深いが、個人的には“植田さんらしい。”と感じなくもない。
筆者にとっては記事の中身そのものには新鮮味は無いと思うのだが、記事の最後の大文字である“政策判断 データ重視”を見る限り、日銀の政策変更は市場が考えるよりも早いのかなと考える。
週明けの東京外為市場ではこの記事を受けていきなり146.78と金曜日の終値147.79から1円近い窓を開けて始まったが、先週の鈴木蔵相の
-為替市場の動向を高い緊張感を持って注視する。過度な変動に対してはあらゆる選択肢を排除せず適切な対応を取りたい。
そして、神田財務官の
-昨年に続いて今年も急激な変動が起こっている。こういった動きが続くようであれば、政府としてはあらゆる選択肢を排除せずに適切に対応する。
との一歩踏み込んだ介入に対する強い発言とも相まってドル・円相場の頭を重くすると考えられる。
先週日経新聞が幾つかの金融機関がドル・円相場予想を上方修正したと伝えたが、米国長期金利が上げ止まり、又我が国の長期金利が今回の植田総裁のコメントを受けて上昇する様であれば、それ程ドルに対して強気になる必要もあるまい。
週明けの東京債券市場では10年国債利回りが0.7%を超える上昇を見せ、これを受けて一旦147.27迄上昇したドル・円相場は再び146円台まで値を下げている。
元為替ディーラーの観点から言うと、今正に介入を行って市場のセンチメントを変える好機と思うが、如何であろうか?
海外の投機筋は中央銀行の政策変更に極めて敏感であり、割合長い相場観を持って対処する。
今回の読売新聞の報を受けて彼らがどの様に反応するか見ものである。
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