ジャクソンホール シンポジューム。
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我が国金融当局による介入警戒を物ともせず、ドル・円相場の上昇が止まらない。
先週は2022年11月以来となる146.55の戻り高値を示現した。
その主な要因は何と言っても米国長期金利上昇が挙げられよう。
10年債利回りは先週4.284%まで上昇した。
前週発表された7月の米消費者物価指数(CPI.)は上昇率が前年比3.2%と、13カ月ぶりに前月(3.0%)より上振れし、また米生産者物価指数(PPI.)の上昇率も前年比+0.8%と市場予想(+0.7%)を上回った為、米連邦準備理事会(FRB.)がインフレを抑え込むために政策金利を長期間、高水準に据え置くとの見方が強まったことが背景にある。
昨年ドル・円相場が152円近くまで上昇した時にも米国10年債利回りは4.3%近くまで上昇した後其処を天井として下落に転じ、ドル・円相場もそれにつれて下落している。
果たして10年債利回りが4.2%~4.3%辺りを天井として再び下落に転じるのか、或いは短期的な物価の上振れや堅調な米国消費を反映して更なる上昇を見せるのかは、今週24日から26日に掛けてカンザスシティー連銀主催のシンポジューム(ジャクソンホール・シンポジューム)後のパウエルFRB.議長の講演でヒントが得られそうである。
先週公表された前回のFOMC.議事録では、“インフレリスクは一段の引き締めを必要とする可能性が有る。”と言及して追加利上げの可能性を示唆したが、パウエルFRB.議長はあくまでも“データ次第。”として慎重な姿勢を崩していない。
思い起こせば2021年のジャクソンホール・シンポジューム辺りから市場は利上げ開始を催促し始めたのにパウエルFRB.議長は“アメリカのインフレは一過性のものである。”と言い切り、利上げ開始が遅れて2022年3月からの大幅且つ急激な利上げを強いられた。
そして急激な利上げが一因とされた3月のシリコンヴァレー銀行破綻を端に発する米国金融不安が起きたことは未だ記憶に新しい。
パウエル氏は利上げ開始が遅れたFRB.議長(これは既成事実。)、利上げ停止が遅れたFRB.議長(10月までにははっきりする。)、そして利下げ開始が遅れたFRB.議長(来年の中頃?)との誹りを受けることになるのか?
パウエル議長の講演内容がタカ派的(金融引き締めに積極的)であれば長期金利上昇と相まってドル・円相場は堅調に、逆にハト派的(金融緩和に積極的)であれば円安進行のスピードが落ち着こうか?
短期的には日米金利差を意識したドル買い&円売りの台頭には敬意を表したい。
(矢張り、ドルをショートにしている際の毎日払う5%の短期金利差のスワップ・コストは痛い。)
円安から円高への流れが変わるとするとFRB.の明確な利上げサイクル終了と無策な日銀が物価高を考慮して明確な緩和政策からの脱却を表す時であろうか?
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