145円台は頭が重いか?
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注目の7月の米国消費者物価指(CPI.)が先週発表され、前年比で+3.2%と市場予想の+3.3%を下回ったが前月の+3.0%から僅かに上昇し、これは実に13ヶ月ぶりの物価上昇となる。
これを受けて市場の反応は二つに分かれた。
-市場予想の+3.3%よりも物価上昇が穏やか(+3.2%)だったので矢張りそろそろFRB.による利上げが打ち止めとなる時期は近い。もしかして9月の利上げが見送られるかも知れない。=ドル売りで反応。
ドル・円相場はCPI.発表直後143.75から143.28まで急落。
-2022年6月に9.1%を付けた物価上昇率は着実に低下して、FRB.による利上げがそろそろ打ち止めとなるかと思っていたが13ヶ月ぶりに再び上昇に転じ、FRB.の物価目標である+2.0%には未だ程遠い。9月の利上げ続行の可能性が高い。=ドル買いで反応。
ドル・円相場は143.28迄急落後に徐々に値を戻し10日の発表当日は144.76の高値引けとなった。
CPI.発表の翌日に米国生産者物価指数(PPI.)が発表されたが此方は前年比で市場予想の+0.7%よりも高い+0.8%となり、前月の+0.2%から大きく上昇してCPI.発表後に広がった物価上昇懸念が再燃して米国長期金利が上昇して、ドル・円相場は一時145円をワン・タッチすることとなった。
PPI.上昇はサービス価格が約1年ぶりの高い伸びとなったことが背景であり、CPI.、PPI.共に市場予想からはそれ程かけ離れたものではないと思うのだが、物価上昇圧力が再び強まることでFRB.による利上げ継続の可能性が高まったと言う懸念が台頭したのであろうか?
週明けの東京市場でドル・円相場は一時145.21の高値を付けたが、その後再び145円を割って取引されている。
短期的には8月15日の米国債券投資の利払い分の円転が有りドルの頭を抑えるであろうし、又長期的には日銀によるYCC.の運用柔軟化を受けた本邦機関投資家のレパトリエーション(国外滞留資金の本国環流)も念頭に入れておきたい。
現在のレベルは昨年我が国金融当局がドル売り&円買い介入を行ったレベルであり、145円台は頭が重いと思っている。
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