菅新内閣、支持率74%。
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日経新聞とテレビ東京が実施した緊急世論調査によると菅新内閣の支持率は74%で、政権発足時としては過去3番目の高さである。
安倍内閣での8月の前回の調査から19ポイント上昇し、支持する理由として菅首相の人柄や安定感を挙げる回答が多かったらしい。
まあご祝儀的な支持があることは間違いあるまいが、それにしても高い支持率だ。
菅さんは7年8ヶ月の長きに渡って官房長官職を務めあげ、安倍政権下でもどちらかと言うと黒子の様な存在で、失礼ながら”どうせ短命政権なのだから、多くは期待出来ない。”と思っていたのだが、ところがどっこい、 “相当なやり手”とお見受けする。
最近のメディアでの発言を幾つかピックアップすると、
-政策に反対する官僚は異動させる。
(菅官房長官になってから内閣人事局が新設され、官僚の幹部人事に色々と口を挟んできた。
霞が関は益々戦々恐々としていることであろう。)
-日韓関係は先の請求権協定が元になっており、安倍政権時代といささかも違いは無い。
(全くブレが無い。菅さんは”我が国はやるべきことはやっており、それを守らない国との交渉は有り得ない。”と付き放つ。
留任が決まった茂木外相も16日、菅首相主宰により初めて開かれた閣議後の記者会見で、韓国内の元徴用工への賠償問題が”日韓関係の大きな課題だ。”とし”国際法に違反しているのは韓国であることは間違いない。”と主張した。)
-遅かれ早かれ消費税再引き上げは必要となる。但し来る10年はそれは無い。
(景気低迷の現在、増税の話はタブーの筈だが、よくぞ言った。財政垂れ流しの現在、将来増税をしなければこの国は潰れる。)
ぱっと見は地味で朴訥な感じがしないでもないが、実は菅さんの”ここぞ。”と言う時の行動力は素早い。
為替の話をすると、少し円高に振れると三者会合と称して財務省、金融庁、そして日銀が集まって協議をすることが多いが、これを主導していたのは菅官房長官と言われている。
菅首相は官房長官時代に”私の重要な危機管理の一つに為替がある。財務省、金融庁、日銀による3者会合を開かせている。日本企業が間違いなく国内で経済活動できるような環境をつくる。”と述べている。
そして妙な事にこの三者会合が開かれた後はドル・円相場は上昇しているのだ。
恐らく公的年金などがドル買いを行っているのであろう。
直近では7月31日に104.19のドルの安値を付けた日にこの三者会合を開催し、当日の終値は105.93と1円70銭近くの上げを演出した。
我が国の経常収支が大幅な黒字から均衡に近付きつつある今、何故円高が悪いのかと思うのだが、どうやら菅さんは105円以下のドル安&円高がお嫌いな様である。
就任早々そのドル・円相場は大台の105円台を下切り、円高気味に推移しているが個人的には菅さんがこのまま放っておくことはないのではないかと思っている。
では菅新総裁が誕生したら為替相場はドル高&円安に動くか?
世の中、そんなに甘くはない。
安倍-トランプ関係は極めて密で、トランプ大統領は中国をバッシングする中我が国の対米国貿易黒字に対して際立った批判はしなかったが、安倍さんの様な個人的に緊密な関係を持たない菅さんとどうなるかは分からない。
少なくとももし菅さんが大っぴらにドル高&円安政策を標榜しようものなら、しっぺ返しを食らうリスクは大きかろう。
官房長官時代の発言と首相の発言の重さは格段に違うのだ。
菅新首相が為替相場に関して何か発言するかどうか、大変興味を持って見守っている。
何だかよく分からないのだが、この東北出身の朴訥な感じの菅さん、何かやってくれる様な気がしてならない。
頑張れ、菅さん!
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