少々、お疲れか?
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夏季休暇中の安倍首相が昨日大学病院に出向いて検診を受けたことが話題になっている。
すわ、持病の潰瘍性胃腸炎の再発かと訝る向きもあったが、どうやら”休み明けの体調管理に万全を期すための検診”だったらしい。
どうやら最近随分お疲れの様子で、ニュース映像で見る姿はかつての颯爽とした面影はない。
まあ政策論争をする訳でも無くつまらん揚げ足取りばかりする野党や、馬鹿な質問をし続けるマスコミを相手にして多少疲れ気味に見えるのは仕方ないか?
少し前に解散総選挙が近いとの噂が有ったが、かつて為替に携わった者の悲しい性でついつい、”安倍さんが辞めたら為替相場はどうなるんだろう?”と思ってしまう。
普通は政治的空白が頭に浮かんで円安かなと思うが、よく考えると安倍首相は所謂アベノミクスとやらで超金融緩和政策=円安=株高を演じた張本人で、アベノミクス終焉となれば、超金融緩和政策の終焉=円高=株安と言う動きも頭に浮かぶが、どうであろうか?
それにしても株価の騰勢が止まらない。
7月31日から8月14日の2週間にダウ30種平均株価は5.7%、ナスダックは2.6%、そしてS&P.は3.1%上昇した。
そして日経平均株価もニューヨーク市場の株価堅調を受けて7.3%上昇した。
ニューヨーク市場の株高はGAFA.を代表とするハイテク株が買われていることが大きな理由と言えようが、今年の第二四半期(4月~6月)のGDP.=(国内総生産)が戦後最大の下げとなるマイナス27.8%を記録した我が国の株価がニューヨーク市場を上回って上昇するのが理解出来ない。
株は全くの素人であるが、どうも危うい気がしてならないのは筆者だけであろうか?
株価が上昇するとリスク・オン(投資家がリスクを取ることに積極的になる。)の動きとなって安全資産である債券とドルが売られる。
どういう訳か最近は円も安全資産と見られるらしく円も売られる。
まとめると、リスク・オンの時の動きは株高、債券安(金利高)、ドル安(ユーロなどの主要通貨高)、円安となりやすい。
7月31日と8月14日の値(ニューヨーク市場の終値)を比べてみると一目瞭然である。
7/31 8/14
ダウ30種平均株価 26,428.32 27,931.02
10年物米債利回り 0.533% 0.709%
ユーロ・ドル 1.1771 1.1840
ユーロ・円 124.70 126.18
ドル・円 105.93 106.56
ドル安の動きにも拘わらずドル・円が上昇しているのは円も売られているからであり、10年物米債利回り上昇もドル上げに寄与した。
さて安倍首相の去就は兎も角、これからのドル・円相場を占うにはリスク・オンとなるのか、或いは逆にリスク・オフとなるかを見極めなければならない。
あくまでも個人的な意見であるが、様々なリスク要因、例えば未だ衰えを見せない新型コロナ・ウィルス騒動(ワクチン開発が進んでいるとの報が有る度に株価が上がるが、未だ臨床試験の段階である。)、米中関係悪化の可能性(先週末に予定されていたライトハイザー米通商代表部(USTR)代表と劉鶴中国副首相による米中第1段階通商合意の実施状況の検証の為の会議が延期された。両国の関係は益々悪化するばかりである。)、そしてトランプ大統領再選可能性の後退(選挙は水物であり、世論調査の数字だけで判断は出来ないが現職のトランプ大統領が現状では圧倒的に不利であることは間違いない。)などを見ると、株式市場は上のリスク要因を過小評価している様な気がしてならない。
個人的には大きな株価調整が有ってもおかしくはないと思っており、その場合はリスク・オフとなる。
リスク・オフに成れば当然リスク・オンの時の動きと逆になる筈で、株安、債券高(金利安)、ドル高(ユーロなどの主要通貨安)、円高となろうか。
ドル・円に関してはドル高と円高の鬩ぎあいでドル安&円高となると読む。
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