倍返し。
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日曜日の夜放映される”半沢直樹”が面白い。
最近放映されたドラマの内で最も高い視聴率を稼ぎだしているらしい。
筆者も毎回見て視聴率向上に貢献している。
今回はシリーズ二回目で、主人公の半沢直樹が銀行から出向を命じられた証券会社で親会社である銀行の理不尽さと資金力を背景にしたあくどい買収劇を阻止し、本人は出向先から呼び戻されて悪巧みを図った部長がやり込められるという典型的な勧善懲悪のドラマである。
まあ所詮はドラマなのだから細かいところに目くじらを立てる程でも無いのだが、元銀行員として幾つか気になる点があった。
-第二回目だったと思うが、(恐らく半沢直樹の優秀さを知っているであろう)温厚な頭取が階段の上から半沢直樹を見下ろすシーンが有ったが、銀行にはあんな階段は無いし頭取は階段をうろつかない。
-これは昨日半沢直樹が出向先から本店営業部に呼び戻されるシーンで、頭取が直々辞令を渡していたがそんなことは有り得ない。人事部から一片の紙切れが来るだけである。
-銀行で半沢直樹と同期の男が銀行内部の実情や守秘義務がある取引先の内情を、こともあろうに飲食店で半沢直樹に教える場面が有ったが、あんなことは有り得ない。
またその話を女将が盗み聞きしていたが、この続きは来週以降の話になるのかな?
恐らく女将がこの話を誰かにチクるのだろう。
-突然証券取引等監視委員会の検査が入ることが分かり、半沢直樹が指揮を執って検査官が到着する前に買収資料が入ったコンピューターのデータを消去したり、書類をシュレッダーに掛けていたがこれは金融証券取引法の検査忌避に当たり、責任者は懲役刑を食らい、会社は業務停止処分となる。
だから我々は”絶対に!”隠し事をしない。
筆者はある欧州系銀行の東京支店長を務めていたが、最後のご奉公は金融庁の検査をこなすことであった。
その数年前に同じ欧州系銀行が検査忌避を行い、その銀行は免許を取り上げられて日本から追放され、支店長は実刑を食らって監獄に入っていた。
本物の検査はあんなに甘っちょろいものではない。
消去したデータだって、あっと言う間に復元しますよ。
嘘をつくと必ずバレますよ。
ところで筆者は6ヶ月にも及んだ金融庁の検査が終了したと同時に辞表を提出した。
もう二度と同じ様な検査を受ける気力も体力も無かった。
何と、その銀行は”何の御咎めも受けなかった最初の銀行。”となった。
まあいいや。
細かいことを言っていたらドラマを楽しんで見ていられない。
あくまでも日曜日の晩の勧善懲悪・面白ドラマだと割り切って見ればいいんだ。
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