“8月は円高となるのか?”
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先月の第3週までは107円前後で割合安定していたドル・円相場に動意が見られ始めた。
大きな引き金となったのは米中関係悪化である。
ドルが主要通貨に対して売られ、円、ユーロ、ポンド、そして豪ドルが軒並み強くなったのだ。
ドル・円相場はドル安の勢いに乗って先週金曜日の早朝、安値104.19まで下げたがその後セブン&アイ・グループが総額2兆2千億円の大型買収案件を発表し、106.47まで急速に値を戻した。
(7月からのドル・円相場の日足ローソク足チャート)
ドルが大きく買われた理由は、セブン&アイ・グループが買収に伴って買収資金として多額の米ドルを調達するであろうとの市場の思惑が先行した為である。
2兆2千億円と言うと昨年の我が国の経常収支黒字の2ヶ月分に相当する巨額である。
セブン&アイ・グループは傘下にセブン・イレブンを擁し、世界のネットワークから入って来る巨額の外貨建てロイヤリティー(商標権)を蓄えているだろうし、又買収額の何十パーセントの額が円からドルに変換される(所謂円からドルへの為替取引が起きる。)かも分からず、結局高値を付けた後は105円のミドル辺りで小康を保っている。
最近の最高視聴率を取っている日曜劇場の”半沢直樹”をご覧になっている方はご承知だろうが、ああ言ったM&A.(企業買収)案件は謎に包まれていて、どうやって資金調達するのか、どの程度の為替が起きるかは当事者しか知らない。
もし大きな割合で為替が起きる様であればドル・円相場にも大きな影響を与えるであろうと読んだ市場は取り敢えずドルを買ってはみたが以前のサポート・ライン(下値支持ライン)であった107円を超える勢いも無く、ずるずると下がって来たのが実情であるがこれから先の読みは難しい。
8月は例年円高になる傾向が有る。
その背景は我が国の機関投資家が行った海外投資(特に米ドル債券購入)の果実(利息分)の円転と輸出筋がお盆を控えて輸出予約締結を進めるからである。
セブン&アイ・グループのM&A.絡みのニュースが無ければもしかして今頃は104円~105円のレベルで取引されているかも知れないが、為替って面白いですね。
さて、アノマリー(マーケットにおいて具体的な根拠が無いものの、予測が当たりやすい経験則)通りに8月は円高になるのか?
それともM&A.絡みの潜在的なドルのニーズに脅かされて結局は動かないのか?
何れにせよ、また暑い夏になりそうである。
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