今は一服状態だが。
週末のドル円レートを予想して10万円をゲット!
ドル・円相場がこのひと月で安値101.19から高値111.71(値幅10円52銭)までの大ラリー(大きく相場が上がる事)を演じた後、先週は安値106.93、高値108.72(値幅1円79銭)そして今週になって安値108.42、高値109.38(値幅96銭)と落ち着きを取り戻してきている。
然したる理由は無いが銀行のディーラー諸君の多くがテレワークを余儀無くされて市場参加者が激減し、余り動かないのだろう。
家でトレードするよりは同じく休校で家に閉じ込められている子供達の面倒でも見ているのかな?
うん、これは良いことだ。(普段は余り構ってやれない子供達と遊ぶこと)
子供たち向けのゲーム機が良く売れていると聞く。
では相場はこのまま段々落ち着いてくるのだろうか?
それはあるまい。
アメリカが酷いことになりつつある。
最新の調査では全世界のコロナ・ウィルスの感染者数は約135万人で死者数は約7万5千人。
死者数こそイタリアの約1万6千500人、スペインの約1万3千300人に次いで約1万1千人とやや少ないが、アメリカの感染者数は約36万8千400人とだんとつの一位である。
因みにイタリアとスペインは共に13万人台である。
トランプ大統領は非常事態宣言を発令し、企業には従業員の自宅待機を命じ、人々には不要な外出を禁じてアメリカの経済活動はマヒ状態になりつつある。
経済活動が遅れだすと統計上真っ先に現れるのは失業率。
アメリカの企業は直ぐにレイオフ(一時解雇)するからだ。
先々週に330万7000件の過去最悪の数字を記録した新規失業保険申請件数は、先週も664万8000件と2週連続で過去最悪を更新した。
実にたった2週間で約1000万人の新規失業者が生まれた計算になる。
今週木曜日に発表される4月4日終了週の新規失業保険申請件数も酷い数字になるであろうことは想像に難くない。
金曜日に発表になった3月の雇用統計の数字は失業率が先月から9ポイント悪化し4.4%となり、非農業部門雇用者数が先月の+27万3千人から一気に-70万1千人へと激減した。
しかもこの今回の統計の調査時期は3月中旬で、その後に大都市圏でのロックダウンや失業増加が起こっており、今回の新型コロナ・ウィルス感染拡大による経済的影響が完全に反映されているわけではない。
雇用悪化の実態が顕著に現れるのは、5月初旬に発表される4月の雇用統計になりそうだ。
丁度ひと月後である。
セントルイス連銀のブラード総裁は22日、失業率は4-6月期に30%まで悪化するであろうと述べた。
雇用環境の悪化は米国の実質GDP.成長率を大幅に悪化させるのは当然で、2020年1-3月期は前期比凡そ-7.5%、4-6 月期には凡そ-23.5%と読んでいるが、ゴールドマン・サックスは4-6 月期には凡そ-34%とショッキングなレポートを発表した。
失業率が30%で、実質GDP.成長率がマイナス30%?
America is going to be down.=(アメリカは酷いことになるぞ。)
アメリカは酷いと言う話をしているが、これは我が国にとっては他山の石となる可能性が非常に大きいと言えるかも知れない。
東京の繁華街での人混み(2週間前まで)や埼玉でのイベントのニュースを見てアメリカの友人から”お前ら、大丈夫なのか?何か特別な薬でも有るのか?”と揶揄されたが、そんな物は有りゃあしない。
只、この人達は緊張感を持たないでフラフラしているだけである。
日曜日の東京の1日の患者数が143名に膨れ上がり、その内92人の感染経路が不明だと聞いて驚いた。
恐らくこれらの感染者は10日から2週間前に罹患している筈である。
そして罹患後、何処で誰に会っていたかは全く分からない。
アメリカ人の友人に言わせれば、”Very scarey.=(物凄く怖い。)である。
筆者も同感である。
余計な事であるが、筆者よりも2歳年下のお笑いタレントの志村けんさんが入院後10日であっという間に逝ってしまったと言う訃報に驚愕した。
恐らく最高の医療スタッフが最新の医療機器を使って、ああも簡単に逝ってしまうものなのか?
そう言えばアメリカもついひと月半前までコロナ・ウィルスを”遠いアジアでの出来事。”と高を括っていた。
そして今は世界で一番の感染者数を持つ国になってしまった。
このコロナ・ウィルスは実に恐ろしい!
昨晩やっと我が国でも緊急事態宣言が出されたが、一般の人々の緊張感が余り見られないのが気になる。
先週発表された3月調査の日銀短観では、大企業製造業業況判断DI.が消費増税の影響を受けた12月調査の0から、新型コロナ・ウイルスの影響を受けて-8に悪化し、6月予測も-11に悪化した。
日本経済は、2019年10-12月期実質国内総生産(GDP)の前期比年率-7.1%に続き、2020年1-3月期GDPは新型コロナウイルス、4-6月期GDPは東京オリンピック延期によるマイナス成長がそれぞれ予想されており、リセッション(景気後退)に陥る可能性が高まっている。
事態が悪化し、東京都がロックダウン(都市の封鎖)などを行うかどうかは知らないが、(世界中の殆どの主要都市では既に行われている。)、我が国の景気後退の度合いが深まることは間違いあるまい。
此れは当然日本株売り&円売り要因となる。
Japan may be going down, too.=(日本も同じく酷いことになるぞ!)
欧州も酷い
アメリカも酷い。
日本がこれからもっと酷くなれば日本株及び円売りが進むと読むのが簡単だが、どうもかつての経験則とかトレード手法は役に立たない。
“日本株が下げれば円安と言うイメージが浮かぶが、リスク・オフとなって円へのレパトリ(Repatriation.= 外貨資産を引き揚げて自国内での資産に移したり、自国通貨に換金したりすること.)が起きれば円高となる。”と言うケースも有り得る。
2011年の東日本大震災の折りはリスク・オフの動きでドル・円相場は史上最安値(円の最高値)の75.57を記録した。
良く分からない。
アメリカが酷いからドルを売るか?
日本も悪くなるから円を売るか?
もしドル売りと円売りの綱引きが起きるのならドル・円相場は急激に一方向には動かないのかも知れないな。
少なくとも積極的なリスク・オン(積極的にリスクを取る。)の行動は控えたいと思う。
ところで皆さん、手洗いとうがいは励行しましょうね。
週末のドル円レートを予想して10万円をゲット!