川合美智子の為替相場と楽しく付き合う方法 kawai

ドル/円、下げ渋り。クロス/円、下値余地が限られる可能性。

2025/03/10

ドル/円は、直近の日足が寄せ線に近い形の陰線引けとなり、続落して終えていますが、この陰線の下ヒゲが長く下値トライに失敗した形となっています。東京市場では下値トライの動きが先行していますが、147.10-20にやや強い抵抗が出来ており、これを支えとして反発余地を探る動きに繋げています。突っ込み売りにも注意が必要です。短期トレンドは149.00-10の抵抗を上抜けて終えた場合は、149.00~149.80ゾーンでの揉み合いの流れに戻して下値リスクが若干後退します。この場合でも1/10に付けた158.87を基点として上値を切り下げて来た短期的なレジスタンスラインが151.90-00に位置しており、152円台にしっかり乗せて終えるまでは下値リスクを残します。また、147.10-20の抵抗を下抜けて終えた場合は下落余地がさらに拡がり易くなります。

ドル買いは様子見か146.20-30まで引き付けて。損切りは145.80で撤退です。売りは148.50-60の戻り待ちとします。損切りは149.20で撤退です。日足の上値抵抗は148.10-20,148.60-70,148.90-00,149.70-80に、下値抵抗は147.50-60,147.10-20,146.20-30,145.00-10にあります。

ユーロ/ドルは陽線で切り返して上値トライの可能性に繋げていますが、直近の陽線の上ヒゲがやや長く、上値トライに失敗して押し戻されており、週初の上値追いには限りがありそうです。一方で、1.05台前半にあった強い抵抗を上抜けた勢いで急伸に繋がっており、短期トレンドが大きく変化していることから、深い押しにもまだ繋がり難く、今しばらくは押し目買い方針が有効と見ています。買いは1.0790-00で押し目買い。損切りは1.0740で一旦撤退です。売りは様子見です。上値抵抗は1.0860-70,1.0910-20,1.0930-40,1.09740-80に、下値抵抗は1.0790-00,1.071.0760-70,1.0710-20にあります。1.0700を割り込んで終えた場合は、106台の足元を固め直す動きが強まり易くなります。

ユーロ/円は、小陽線で続落を食い止めています。下値を急角度で切り上げる流れを維持しており、短期トレンドは強い状態を維持しています。昨年7月に付けた175.42と1月に付けた直近高値164.08を結ぶトレンドラインが161.50-60に、昨年10月に付けた166.60と12月に付けた164.90を結ぶトレンドラインが162.90-00に位置しており、これらを全て上抜けて終えれば“ユーロ強気”の流れに変化して一段の上昇に繋がり易くなります。逆に159円を割り込んで終えた場合は、急伸時に素通りした156円台後半~158円台後半にある下値抵抗をどこまで切り崩せるかトライする動きへ。買いは159.40-50で押し目買い。損切りは158.80で撤退です。売りは様子見か161.50-60まで引き付けて。損切りは162.10で撤退です。上値抵抗は160.60-70,161.10-20,161.50-60,162.10-20に、下値抵抗は159.40-50,159.10-20,158.70-80,158.10-20にあります。

ポンド/ドルは小陽線で終え、下値を切り上げています。トレンドが強い状態にあるため深い押しにも繋がり難く、押し目買い方針継続とします。直近の陽線が上昇エネルギーの強いものではないので、買いは1.2890-00の浅い押し目を軽く拾って、1.2860で浅めに一旦撤退するか、1.2820-30の押し目待ちとします。この場合の損切りは1.2760で撤退です。上値抵抗は1.2940-50,1.2980-90,1.3010-20,1.3040-50に、下値抵抗は1.2890-00,1.2860-70,1.2820-30,1.2790-00にあります。短期トレンドは1.2700を割り込んで終えない限り、変化しません。

ポンド/円は直近の日足が前日足から上寄りのスタートとなり、実体が小さく下ヒゲの長い陽線で続落を食い止めています。下値トライに失敗した反動で上値余地を探る動きが期待出来ますが、前日の陰線が上値を抑え込んでおり、191.90-00にやや強い抵抗が出来ています。これを上抜けて終えれば一段の上昇へ。但し、昨年7月に付けた208.11を基点とするレジスタンスラインが195円台前半に位置しており、これをしっかり上抜けて終えるまでは下値リスクにも注意が必要です。また、188円を割り込んで終えた場合は新たな下落リスクが点灯します。買いは190.00-10まで引きつけて。損切りは189.50で一旦撤退です。売りは191.80-90で戻り売り。損切りは192.40で浅めに撤退です。上値抵抗は191.40-50,191.90-00,192.30-40に、下値抵抗は190.30-40,190.00-10,189.50-60,188.90-00にあります。

豪ドル/円は陰線引けとなり、続落して終えています。直近の陰線の下ヒゲがやや長く、下値トライに失敗した形ですが、94.50超えに実体を戻すまでは下値リスクにより警戒が必要です。また、97円台に乗せて終えるまでは下値リスクを残します。現状は92.50-60,92.00-10にやや強い抵抗が控えていますが、基本トレンドが弱い状態にあるため、小反発を繰り返しながらも、90円方向への一段の下落リスクにより警戒が必要です。買いは様子見か92.00-10まで引きつけて。損切りは91.70で浅めに撤退です。売りは94.00-10の戻り待ちとします。損切りは94.60で撤退です。上値抵抗は93.50-60,93.70-80,94.10-20,94.40-50に、下値抵抗は92.80-90,92.50-60,92.00-10にあります。92円を割り込んで終えた場合は90円台が視野に入って来ます。

さて、今日は午後から収録のため外出します。その前にコメントをアップしておきたいと思います。参考にして頂ければと思います。アメリカのウクライナへの軍事支援の一時凍結を受けて即時にEUが8000億ユーロ規模の再軍備計画を発表したことは、EUの結束力を高めることに繋がっただけでなく、これまでのEU内での厳しい財務規律を一時的にせよ外して財政拡大へ舵を切ったことの意義はとても大きいことです。中長期的な対ドルでのユーロ安トレンドが変わるかどうか、この1-2週間の動きに注目です。

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プロフィール

かわい・みちこ
川合美智子

旧東京銀行(現、三菱UFJ銀行)在勤の1980年より若林栄四の下で罫線分析を研究、習熟する。同行でカスタマー・ディーラーとして活躍した後、1989年より在日外銀でカスタマー・ディーラーとして、また、外国為替ストラテジストとして抜群の人気を博す。罫線分析を基にした為替相場コメントには定評がある。外国為替ストラテジスト。オフィスフレア代表。
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