今アフガニスタンで起きている事
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斬首など恐怖支配で世界を震撼させたアフガニスタンのイスラム原理主義勢力タリバンが再び猛スピードで勢力を拡大させている。現政権は事実上崩壊に追い込まれ、今後の展開によっては市場のリスク要因になる。
なぜなら、傍若無人なトランプ大統領を政権の座から引きずり下ろし、新型コロナウイルス対策でも目覚ましい成果を上げて、自由と民主主義の旗手を標榜するバイデン米大統領にとって初の大きな政治的つまずきになる可能性が高いからだ。
「アフガニスタンには世界中のどの軍にもひけをとらない30万人の軍がいる。これに対して反政府武装勢力タリバンは7万5000人であり、国を制圧されることはない」
そうバイデン大統領は7月9日の記者会見で答えていたから面目丸つぶれ。数字に誤りはなかったが、情勢を読み違えた発言だったからだ
政府軍(警察を含む)は数だけでは圧倒的に優位だったが、政府も軍も腐敗が蔓延していて命がけで戦う気力など無かったのである。ロシア通信の報道によれば、ガニ大統領に至っては大量の現金を持ち出してさっさと国外に逃亡してしまったという。一方、狂信的タリバンは士気がすこぶる高く、各地の軍閥や武装勢力、宗教指導者などを味方につけていった。
それが米軍完全撤退を目前にして、わずか10日ほどでタリバンが電撃的に全土を制圧できた理由だ。
思い返せば、2001年9月にイスラム過激派テロ集団アルカイダが米同時多発テロを起こしてからまだ間もない頃にアフガニスタンで人道支援に取り組んできた故中村哲医師をインタビューした際に次のように語っていた。
「アフガニスタンには私たちが想像するような国家は存在していません」
アフガニスタンは国家というよりは部族の集合体だというのが彼の見方だった。まさに卓見だと思う。
「山の民の国」という意味の国名をもつアフガニスタンは、中東と中央アジアに挟まれた標高1800メートルの山岳地帯に位置する要衝だ。東と南にパキスタン、西にイラン、北にトルクメニスタン、ウズベキスタン、タジキスタン、北東に中国と国境を接する他民族国家で、人口は約3800万人。
1919年に英保護領から王国として独立、73年のクーデターで共和国となった。その後はソ連軍の侵攻や米軍率いる有志連合によるテロ報復攻撃を経て新政権が成立したが、ふたたび状況が悪化してきているのだ。
古くはアレクサンダー大王や大英帝国、そしてソ連が軍事侵攻しても攻略できず「帝国の墓場」とも呼ばれるアフガニスタンで、世界最強の米国も墓穴を掘ったことになった。
なにしろ9・11同時多発テロ事件直後の軍事攻撃から20年の歳月をかけ、2500人近くの兵士の命を犠牲にした挙げ句の負け戦である。撤退戦略を継承した現職の大統領が批判の矢面に立たされることは間違いない。
それにしてもなぜアフガニスタン情勢にこんなにも世界の注目が集まるのだろうか。それには人道的関心以上に重要ないくつかの理由がある。
まず、同国はアジアと中東の結節点に位置していて地政学的な重要度が高い。現代地政学の開祖マッキンダーがこの地域を制する者はユーラシアを制するとさえ言ったほどだ。
また、治安が安定すれば、周辺国や国際石油資本にとっては石油や天然ガスを最短距離で安価で輸送できるルートでもある。
さらには、アフガニスタン東部のジャララバードは、アジアの「黄金の三角地帯」と並んで世界最大の麻薬の密造地帯だ。ヘロインの原料であるケシの生産量は世界シェアの8割(1999年)を占めていた。ふたたび急激に台頭してきたタリバンの主な資金源でもある。
政府の後ろ盾だった米軍不在となって、タリバンと周辺イスラム諸国、ロシア、中国の間で熾烈な綱引きがすでに始まっている。
一度はアフガン戦争から不名誉な撤退を余儀なくされたロシアは、是が非でも中央アジアでの勢力拡大を実現したい。一方、中国はイスラム過激派の新疆ウイグル自治区への流入を警戒しつつ、巨大経済圏構想「一帯一路」の重要中継地点としてアフガニスタンを支配下に置きたいと思っている。
戦争の最大の犠牲者はいつも国民だ。すでに何万人もが避難を強いられ、多くが殺害されたり負傷したりしているという。タリバンによる子供に対する「残虐行為は日増しに酷くなっている」という国連児童基金(ユニセフ)の報告も痛ましい。
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