ワクチン政策から見える自民党政権のあや
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ようやく自分の1回目の新型コロナワクチン接種が今月5月27日と決まりホッとしている一方で、朝から晩まで感染者数や死者数を伝えるニュース番組から目が離せない。コロナ大流行は私たちの心まで蝕む病である。
予期せぬ厄の渦中で私たちは数字に翻弄されていると、イタリアの作家パオロ・ジョルダーノが指摘していた。その通りだと思う。
そろそろ視野を広げて現実を直視するときだ。そうすれば答えが見えてくる。
答えはじつにシンプルだ。とにかく早く、出来るだけ多くの人にワクチンを接種すること。そうすればウイルスが生き延びる場所が無くなり、パンデミックは消滅してその後しばらくで日常生活が戻ってくる。
そこで再び注目されているのが「集団免疫(herd immunity)」だ。集団免疫とは一定の数以上の人々がウイルスに感染して免疫を獲得することで感染拡大を封じ込めるという策で、外出規制や飲食店閉鎖などの厳しい規制を行なわない。
ワクチンが開発以前、北欧のスウェーデンが実施して注目を浴びた。ところがコロナによる死亡率が人口100万人あたり約1200人と日本の20倍にも跳ね上がってしまった。「人殺し政策だ」という批判の声が高まったため、政府はあえなく失敗を認めて集団免疫路線を撤回した。
しかし大量のワクチン接種が可能になった昨年末から、集団免疫議論が再び息を吹き返している。これまでのようにただ自然の流れに任せるのではなく、ワクチン接種で積極的にコロナ撲滅を目指せるようになったからだ。
「もし国民の75~85%の集団免疫が達成できれば、米国でもコロナ感染爆発を終わらせることができる」
米国立アレルギー・感染症研究所所長で米政権6代に渡って大統領に助言してきたアンソニー・ファウチ博士もメディアのインタビューでそう語っている。
集団免疫という考えはもともと人間ではなく牛から始まった。1916年、獣医だったアドルフ・エイホーンが、牛の群れの半数以上が最初の感染から回復できれば、群れ全体がその疫病に対する免疫を持つようになることを発見したのである。
もちろんワクチンを打ったからといって100%新型コロナに再感染しないという確証はまだない。やっかいな変異種も登場している。だがコロナ対策の切り札がワクチンだということは世界を見渡せば専門家でなくても一目瞭然だ。
ニューヨーク州ではすでに1680万回のワクチンが投与されており、18歳以上の60%以上が少なくとも1回の接種を受けている。全米では今月1日までに3億回分を超えるワクチンが各州に供給され、2億4000万回余りが接種された。バイデン大統領が就任から100日以内に1億回接種すると宣言した目標の倍以上だ。そのお陰で米国のコロナ感染者は減少傾向にある。
ひるがえって我が祖国日本はどうか。英断できない安倍・菅政権の体たらくでワクチン接種は後手に回って大混乱だ。接種率は世界196カ国中129番。先進国の集まりであるOECD加盟37カ国中でビリだというではないか。それなのに未だに国民の命より五輪開催を優先している。延期または中止した方がいいと考える国民が8割以上(ANN世論調査)いるにも拘わらずである。
海外メディアの反応は厳しい。米ワシントンポスト紙がコラムでIOCのバッハ会長を「ぼったくり男爵」と痛烈に批判し、東京五輪の中止を促した。ニューヨークタイムズ紙も「科学に耳を傾け危険な茶番劇は止める時だ」として大会中止を求めるコラムを掲載している。
フランスのリベラシオンは「東京オリンピックはノックアウトか?」と題された特集を一面に掲載。日本政府のワクチン提供や医療体制の不投入不足を批判している。それに比べて、五輪スポンサーである日本のメディアの論調はいかにも生ぬるい。楽天の三木谷さんがCNNとのインタビューで五輪開催は「自殺行為(a suicide mission)」と述べたのは的を射ている。
「政治は豆腐の箱のごとし、箱が歪めば豆腐も歪む」と江戸時代の農政家二宮尊徳が言ったそうだ。政治という箱が歪めば国民も歪んでしまうという政治家に対する戒めの言葉である。
ところが新型コロナの猛威を侮った安倍・菅政権という箱は情けないほど歪んでしまった。国民の不安と不満も爆発寸前だ。そういえば二宮翁はこうも言っていた。
「誠実にして、はじめて禍を福に変えることができる」
どうみても日本のリーダーは誠実さが足りない。
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