トランプの2019年はバラ色か?
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今年はいったいどんな年になるのだろう。そう思いあぐねていたら、ある人物がオーストラリアの研究機関へ寄稿したコラムが目に留まった。その人物とはジョセフ・E・スティグリッツ。コロンビア大学の教授である。ノーベル経済学賞を受賞し、米クリントン政権で経済諮問委員会委員長を務めた経済学者である。
コラムのタイトルはずばり「A Very Trumpian Year(トランプ色に染まる年)」。就任以来数限りない虚言、暴言、妄言で政策をちゃぶ台返しをしてきたトランプ大統領が世界にまき散らした悪い種が発芽して、混乱極まりない年になるという恐ろしい予言だ。
そういえば、知人で米リスクコンサルティング会社ユーラシアグループを率いるイアン・ブレマー氏が発表した2019年の10大リスクのトップも「Bad seeds(悪い種)」だった。危機に瀕する米国の民主主義や、止まらないロシアのサイバー攻撃、欧州でのポピュリズム(大衆迎合)政治の台頭、中東の不安定化、同盟関係の弱体化など、世界中の地政学的事象のほとんどの原因は悪性トランプ・ウィルス感染によるものだという。
世界的な最大の関心事はやはり「米中新冷戦」だろう。トランプ大統領就任直後は驚くほどの蜜月関係を演じた両国首脳だったが、その目的が北朝鮮を制御するための大芝居だと露見した後は坂道を転げ落ちるように対立が深刻化している。
米国では、大統領の独断専行に嫌気がさした国際協調派の側近が政権から次々と姿を消した。残ったのはロス商務長官やナバロ補佐官といった対中強行派ばかりが目立つ。とくに大統領選挙時にトランプ氏に重用されたナバロ氏は『米中もし戦はば』という物騒な著書だけでなく、経済学者時代には『中国がもたらす死』というドキュメンタリー映画まで自作した筋金入りの反中派だ。
一方、国内で一強体制を確立した習近平主席は、数で米国を圧倒することを目指したこれまでの対米軍事戦略から先端技術による情報支配へとシフトしている。サイバー戦闘能力を増強するとともに、専門家によれば、「暗殺者の槌矛(つちほこ)」戦術を練っているという。耳慣れない言葉だが、一見優位にみえる敵の能力を弱点として利用する戦術のことだ。
米国はハイテク技術に優れ、配電・交通・金融といった社会インフラから陸海空軍まですべてネット回線で繋がっている。しかし、その優位性はシステム内部にマルウェアを埋め込まれるなど外部から不正侵入されると大規模な機能不全を引き起こす弱点にもなる。
米中貿易戦争は早晩中国が譲歩して決定的な対立には至らない。だが、水面下で繰り広げられるサイバー技術戦争はこれからも激化するだろう。ちなみに、安全保障専門家リチャード・クラーク氏よれば、総合サイバー戦争能力でいちばん優れているのは北朝鮮だという。
北朝鮮は高度のサイバー攻撃能力を持っているが、回線がほとんど遮断された国内には米韓のサイバー戦士が攻撃できる目標がほとんど存在しないからだそうだ。
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